失敗に学ぶ、テック系スタートアップのプロダクトが注目を集める方法

2016/09/28

Zachary Moore

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スタートアップが新しいプロダクトを露出する場として注目される「Product Hunt」。世界中から注目を集めるために必要な12の秘訣とは?

Product Hunt」は世界中の新しいプロダクトをキュレーションしている人気のWebサイトです。メーリングリストから始まり、いまや数百万ドルの価値がある企業になっています。Reddit創業者のAlexis Ohanianなど著名な投資家が投資しています。彼らはProduct Huntがいつの日かTechCrunchを超えると考えています。

Gary GasperはProduct Huntのベテランユーザーであり、ベルギーの起業家です。彼はTrelloやSlack、Githubなどさまざまなツールと連携できる画像注釈ツール「Marker」開発・発売元のCEOでもあります。GaryはProduct Huntで良い経験も苦い経験もしています。彼の最初の投稿にはたった60人しか訪れませんでした。しかし、2回目の投稿では、1600ものフリートライアルユーザーを獲得しました。

Garyは今回の特別インタビューでProduct Huntで成功するための12の秘訣を紹介してくれました。

1. 周囲への告知を忘れずに

Product Huntは投票で成り立っています。多くの票を集めれば、より成功に近づきます。Garyは次のように加えます。

Product Huntの全体的なアイデアとして、コミュニティを持つことがプロダクトに信頼を与えてくれるという考え方があります。もしコミュニティが気に入れば、そのプロダクトはトップに踊り出ます。もしトップにならなければ、そのプロダクトはトップページに表示される価値がないということです

しかし、こっそり投稿してはいけません。友達、家族、顧客に対してProduct Huntで投稿することを伝えるべきです。もちろんProduct Huntは投票の強制、インセンティブを禁止しています。しかし、投稿することを伝え、もし気に入ったら投票してくださいとお願いすることは悪いことではありません。Garyは次のように話します。

私はすべての決断が、はっきり白か黒に分けられるとは思いません。少数の友達や家族、プロダクトのお客さんに対しても、もし気に入ったら投票してほしいとお願いしても問題ありません。じっと座って投票が来るのを待っているべきではありません。少しでもできることはあります。内輪の人たちからの得票で望ましいのは、全体の10%未満です

2. 予期せぬ投稿に注意

Product Huntにはおもしろい仕組みがあります。自分のプロダクトを自分以外の誰かが、投稿できることです。自分のプロダクトについて他人が投稿することを想定して、準備をしていなければなりません。Garyは準備ができておらず、最初の投稿は失敗に終わりました。Garyは悲しそうにこう振り返りました。

私は2回の投稿をしています。1回目は、自分で投稿ができず、失敗しました。たった20票しか集められず、60人しか訪れてくれませんでした

つまりGaryの準備が整う前に、誰かがMarkerについて投稿をしたため、ひどい結果になってしまったのです。それは悪意からではなく、Markerを世界に広めたいという強い想いからでした。しかし、Garyが望んだことではありませんでした。Product Huntの投稿が、注目を得やすい期間は投稿後から24時間以内です。Garyは準備ができておらず、チャンスを逃しました。同一のプロダクトを2回投稿することはできないのです。

3. 再び投稿できる

Garyは、自分が欲しかったものはProduct Huntでしか得られないと確信していました。そのため彼はMarker 2.0として、2度目の投稿を決意しました。彼はうまくいくと感じていました。今回はローンチのタイミングも含め、すべてをコントロールできるだろうと。

同じプロダクトを2度、投稿することはできません。しかし、私は2度目の投稿なら100%コントロールできると分かっていました

もちろん2回も投稿する必要はありません。しかし、初期の段階で誰かがProduct Huntに投稿してしまう可能性はあります。もしそのプロダクトを改善できるなら、2回目の投稿をする価値はあります。

4. 誰でも再投稿できる訳ではない

Garyが再投稿をしたとき、Product Huntのコミュニティマネージャー Ben Tossellは疑っていました。BenはGaryに、大幅なアップデートがあるのか尋ねました。Garyは平然としていました。彼は既にリストを用意していたのです。

  1. ツール部分のUI / UXの完全リニューアル
  2. 新しいユーザー登録フロー
  3. 新Jira連携機能
  4. 新スクリーンショット編集機能
  5. 絵文字機能

見ての通り、メジャーアップデートでした。プロダクトのリニューアルは、しばしばあることです。Product Huntは、再投稿されるたびに本当に根本的な改善が実施されているかをチェックしています。リニューアルは、大きな投資です。もしかなうなら誰もが最初からそうしておけば良かったと考えることでしょう。

5. Product Huntのユーザーは顧客になる割合は小さい

フリートライアルが終わった後、GaryはProduct Huntから来たユーザーが典型的なカスタマーではないと気付きました。彼らは興味をもっているのですが、Garyのバイヤーペルソナには当てはまりませんでした。Garyこう説明しています。

Product Huntからのサインアップのうち、ほんの少ししかカスタマーにならないことに気付くかもしれません。そうしたら、なぜそれらのユーザーがカスタマーになったかを考えてみてください。最良のカスタマーは代理店のオーナーですが、Product Huntの大半のユーザーはそうではありませんでした

露出機会は平等ではありません。Garyは6000の新規ユーザーを集めましたが、代理店ではないユーザーがカスタマーになった割合はわずかでした。彼は、このようにデータを分析したことによって、ターゲットになる代理店ではないユーザーに対してより良いサービスを提供できました。

6. Product Huntにおいて時間はもっとも重要

以下はProduct Huntの時間的な流れを紹介しているMediumから引用したものです。

Product Huntの1日は夜中12時に始まり、そのタイミングでプロダクトは一掃され、新しいプロダクトがハントされます

そのためスピードが重要なのです。

24時間でできるだけ票を獲得すべきです。もし500票を集めたいなら、その大半を初日に獲得したほうが良いです」とGaryは語ります。

Product Huntの露出機会は時間が重要です。その意味ではEmailよりFacebookに近いです。一度Facebookのフィードから消えたものは、もう戻りません。目に入らなければ、心にも残りません。Product Huntでも同じです、ただFacebookと違うのは再び投稿できないことです。

7. 効果的なキャッチコピーを考える

目を引くキャッチコピーは重要です。しかし、それは非常に時間がかかるものです。Garyは1週間の大半の時間をチームとキャッチコピーのたたき台をつくることに費やしました。以下はキャッチコピーのアイデアを集めたエクセルシートです。

Tagline ideas

優れたキャッチコピーはバランスが取れて具体的です。しかし、具体的すぎません。このことについてGaryは的を得た表現をしています。

キャッチコピーは、できるだけ具体的でかつもっとも価値が伝わる表現であるべきです。具体的過ぎて魅力的でなくなってしまうことは避けなければなりません

Garyが苦労して考えたのは以下のようなキャッチコピーです。

  • 曖昧すぎる:Speed up your communication today(コミュニケーションをいますぐスピードアップ)
  • 具体的すぎる:Send annotated and contextualized screenshots to Slack, Trello, and Github.(注釈・説明文付きのスクリーンショットをSlack、Trello、Githubで送ろう)
  • ちょうど良い:Send badass screenshots to Slack, Trello, and Github(すごいスクリーンショットをSlack、Trello、Githubで送ろう)

見ての通り、彼はキャッチコピーにスラングを使っています。すべての人に当てはまるわけではありませんが、彼の個性とブランドにマッチしています。

8. 必ず動画や画像を入れる

GaryはProduct Huntのためにカラフルで目の引く紹介動画を作成しました。Garyも同様ですが、Product Huntのためだけに動画を作成する必要はありません。Garyが作った動画は彼のWebサイトにも載っています。ただ彼は質の高い動画を丁寧に作り上げました。実際、彼は動画制作に丸2日かけました。

最初はWebサイトに載せるつもりで作ろうとしていました。しかし、途中でProduct Huntのキャンペーンにも使えると気付きました。動画制作の経験がなかったので2日も時間がかかりました

それでもGaryは2日も動画制作にかけることは勧めていません。彼は予算的な問題でそこまでやったと言っています。

個人的な哲学として、可能な限り最適な人材を採って実行してもらうという考えがあります。私の場合は、予算を投下したくなかっただけです。だから私がすべてやりました

9. トップになる必要はないが、注目を集めよう

ゼロサムゲームでもメダル探しでもありませんから、Product Huntで1番になる必要はありません。しかし、適切な行動を取り、注目を集るべきです。そうでないと時間の無駄です。

1番になる必要はありません、しかし上位5〜10番以内に入る必要があります。Product Huntから得られるものは2つ、ユーザーとそのインサイトです」とGaryは言います。

Product Huntが有名になるにつれて、順位の重要性は薄れてきます。ポイントは、適切な数の人びととつながれることです。決して多い数ではないかもしれませんが、それがProduct Huntのあるべき姿です。できるだけ注目を集めることを狙うべきです。

10. ローンチする前に完璧を求めてはいけない

Product Huntはベーパーウェア(構想段階のプロダクト)を扱わないという明確なポリシーがあります。そのためベーパーウェアは投稿できません。ただ、完全に仕上げる必要もありません。Garyはローンチ前に完全に仕上げてしまうことは、良いプロダクトから遠ざかることになると強調しています。

最初の半年はフィードバックを求めるべきです。もし最初の半年をデザインの微調整に費やしているのなら、時間の無駄です。多くの起業家は望まれないプロダクト開発に取り組んでいます

Garyの真意はどこにあるのでしょうか。要するに、小さなデザイン変更といった不確実なものに、数か月も費やしてはいけないということです。ビジネスの最初の一歩は価値を提供することです。そのためにはフィードバックが必要です。

もしプロダクトの課題を解決できるか確信を持てないのなら、ローンチすべきではありません」とGaryは言っています。

Product Huntで価値のあるフィードバックを得られれば、カスタマーの満足度をあげられます。もし既にカスタマーが自分のプロダクトにお金を払っていたとしても、改善に役立てます。Markerもまたそうでした。

11. Product Huntはすでに売り上げのあるプロダクトにも役立つ

Markerは課題を解決しています。Product Huntに出る前からMarkerは世界中の人びとからお金をもらっていました。Product Huntに出したあと、Garyはカスタマーがデザインを理由にMarkerを使っているわけではないことに気付きました。Garyは初期バージョンのMarkerが酷評されたことを思い出します。

自分たちの自尊心を傷つけられる可能性もあったので、Product Huntに再投稿することは、大きなチャレンジでした。多くの人が、ひどい、役に立たない、バグだらけ、というような批判をしてきます。その間に、プロダクトは世界中で使われ、その価値に対価が支払われるようになりました

Garyは課題を解決し続けました、まだまだ改善点がありました。Product Huntは6000の新規ユーザーをMarkerにもたらし、また既存のカスタマーの満足度を上げることにつながるフィードバックも得られました。Garyはつけ加えます。

もしマスにリーチしたいなら、受け入られやすいデザインやユーザー体験が必要です

Markerはシンプルな課題解決をして普及しました。現在、Garyはカスタマーを喜ばせ、ビジネスの拡大を考えています。Product HuntがGaryの道を拓いてくれました。

12. インフルエンサーを巻き込む

Markerは最初、ほかのユーザーの手によって投稿されました。GaryはMarker 2.0に注力しました。彼はProduct Huntで成功するにはインフルエンサーが重要だということに気付きました。GaryはMarkerを自分たちで投稿したことは、代替案だったと言っています。

Marker 2.0を自分で投稿したのは代替案でした。たいてい自分以外の誰かが投稿した方が良いですし、ましてフォロワーを持っているインフルエンサーの投稿であればさらに好都合です。第三者の意見の方が信頼できますよね。もし私がレストランを経営していて『街一番のレストランです』なんて言ったら偏っていると聞こえますよね

GaryはインフルエンサーのBram Kansteinに働きかけました。彼はProduct Huntで5000を超えるフォロワーを持ち、Garyにとってとても魅力的でした。Garyはどうやって彼を口説いたのでしょうか。Garyはそのプロセスを教えてくれました。

いろいろと調べて、彼のブログ記事を見つけました、記事にはプロダクトのアイデアのピッチを受けるのは歓迎だよと書かれていました。彼は素晴らしいプロダクトだと言ってくれました

GaryはBramへキャッチコピーや製品名、URL、説明、スクリーンショットのリストを送りました。GaryはBramが記事を書きやすいように準備したのです。そのあと、Bramは6000の新規ユーザーという素晴らしい結果を導いたのです。

最後に

Product Huntはすべてのスタートアップが利用を考えるサービスです。それゆえ、投資家たちが数百万ドルを投下しています。あなたのスタートアップも成功できるかもしれません。

Garyは失敗と成功を経験して、Product Huntは決して簡単なものではないと学びました。ぜひこの12の秘訣を実践してみてください。

(原文:12 Things to Know Before You Launch on Product Hunt

[翻訳:萩原伸悟/編集:Livit

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Hubspot公認のフリーランスライターで専門はデジタルマーケティングです。LinkedInや自分のサイトに投稿しています。

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