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SEOで考えたい、Googleが18年間変えていないたった1つのこと

2016年10月05日 23時00分更新

文●Richard Hammond

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いくら検索エンジンにやさしいサイトを作っても、ユーザーに「使える」と思ってもらえなければ、上位表示は望めません。ユーザーとのエンゲージメントを高めることがSEOにもつながるのですね。

Googleの検索クエリに誰かがなにか入力すれば、検索結果が必ず表示されます。

検索結果を表示する方法には、200以上の要素を組み込んだ高度で複雑なアルゴリズムプロセスが採用され、要素は常に変化しています。

しかし、グーグルが1998年に検索サービスを始めて以来変えていないものもあります。それは、ユーザーが検索をするとき、検索内容にもっとも関連して役立つ検索結果を提供するという、Google検索の第1目標です。

近年では、ランキングアルゴリズムのある要素が重要性を増してきています。ある要素とはオンサイト・エンゲージメントで、最近ではMozが半年ごとに実施しているランキング要素の研究で5位につけました。考えてみれば簡単なことです。ユーザーがコンテンツにエンゲージすればするほど、「使える」と感じるレベルも高くなるのです。

エンゲージメント率

ユーザーがコンテンツにどれくらいエンゲージしているかを、アルゴリズム的に決定するのは簡単ではありませんが、良いヒントを与えてくれる指標もあります。それを以下に紹介します。

Webページでの滞在時間

定義:ユーザーがWebページを開いてから閉じるまでの時間

なぜ重要なのか:ユーザーがWebページ上で費やす時間が長ければ長いほど、そのコンテンツが「使える」、または検索クエリに合っていると考えられるからです。

直帰率

定義:Webページを開き、ほかのページに遷移することなく、そのWebページを閉じるユーザーのパーセンテージ

なぜ重要なのか:端的に言えば、ランキングアルゴリズムを考えるとさして重要でないかもしれません。直帰率について言える問題は、ユーザーがWebページを訪れて、たとえば10分間コンテンツを読み、必要としていた内容にぴったりの情報を得て、そのあとWebページを去ることです。これは直帰としてカウントされますが、実際にはユーザーがWebページを非常に役立つと感じたということになります。高い直帰率は問題点を示唆するため、直帰率はまじめにとらえられなければなりませんが、ほかの指標のほうが現実としてはより大切です。

滞留時間

定義:ユーザーがWebページをクリックしてから、検索結果に戻るまでの時間

なぜ重要なのか:コンテンツを開く人びとがいつもすぐに検索結果に戻り、ほかの検索結果をクリックしているのなら、Webページが特定の検索クエリに関連していないことになります。Webページの降格につながる可能性があります。一方、めったに起こらないなら、Webページが検索クエリにマッチしているという意味になります。

クリックスルー率(CTR)

定義:検索結果をクリックするユーザー数を、クエリを入力する全人口数とパーセンテージで比較した割合

なぜ重要なのか:検索結果で3位以上にあるコンテンツではなく、4位につけたWebページをクリックする人びとの割合が多ければ、そのWebページがどれだけ好まれているかが分かります。もちろん、Webページのタイトルやメタディスクリプションは不正確だったり関連性がなかったり、虚偽であったりすることは多いので、CTRがほかの指標とともにチェックされることはよくあります。たとえば、「高いCTR + 長い滞留時間 = 検索結果の関連性が高い」となります。

ここまで重要な指標について書いてきましたが、改善のためにできることはあるでしょうか?

もちろんあります!

新しいコンテンツを作成中、あるいは現在のコンテンツを再び最適化しているときでも、次のステップを使えば、重要なエンゲージメント率すべてを改善できます。

1. オーディエンスからの需要に根差したコンテンツを作る

コンテンツを作成するときの第1ステップは、オーディエンスが誰で、どのようなコンテンツを探しているのか見極めることです。次のような方法があります。

  • ユーザー調査を通じて直接聞く
  • Google アナリティクスのオーディエンスレポートを使う
  • ソーシャルメディアでオーディエンスを分析する
  • Webサイトでパフォーマンスが高かった過去投稿を分析する
  • Buzzsumoを使い、高パフォーマンスを記録しているほかの人のコンテンツをチェックする
  • 関連のあるフォーラムを観察し、人びとがどのような質問をしているかを検討する

作成するコンテンツがすべて、オーディエンスや質問タイプの両方に合っているかチェックしてください。作成したコンテンツのエンゲージメント率が大幅にアップします。

2. マグネットワードや説得力の高いWebページタイトルを使う

SEO用のキーワードをWebページタイトルに入れることは非常に大事ですが、同様に検索結果に表示されたWebサイトを人びとにクリックしてもらえるような説得力も大切です。

CTRはSEOではとても重要で、青色テキストで表示される文章1行分のタイトルは検索結果内で自分のWebサイトを目立たせる機会となります。Webページのタイトル作成は十分な注意が必要です。

CTRを改善するには、クリックを引き寄せるとして知られている特定(マグネット)ワードが便利で、説得力のある文章で人びとを誘導できます。以下がマグネットワードの例です。

  • 無料
  • 新しい
  • 秘密の
  • いま
  • あなたの
  • 数字

もっと詳しいリストもあります。

3. コンテンツの見た目をもっと魅力的にする

第一印象はとても大切です。ユーザーがWebページを開き、見た目が気に入らなかった場合、「戻る」ボタンをクリックするのは確実です。「ポゴスティッキングpogo sticking」として知られていて、Googleにネガティブな信号を送ってしまいます

テキストを分断し、人びとに長くいてもらえるようなもっと魅力的なWebページを作るには、内容と関連性がある高画質の画像を使うべきです。

テキストの構成方法も重要です。長文テキストや長すぎる段落は重い印象を与えてしまい、人びとはコンテンツを読もうと思わなくなってしまいます。短く簡潔な段落を、間隔をあけて導入するべきです。

内容の異なるセクションを区分けするには、内容に合った小見出しを使ってください。コンテンツを論理的に構成するのに役立つだけでなく、ユーザーに各セクションがなにについて書かれているのかを伝え、読んでもらえるようになります。

4. バケツリレー

Brian Dean氏からのとてもためになる情報です。バケツリレーとは、基本的には人びとにテキストコンテンツを読み続けてもらうために作られたデバイスのことを指します。

末尾にコロンをつけた短い文章で、ユーザーが関心を失うと考えられる部分でユーザーをWebページに留まらせることを目的に、キャッチコピーに加えられています。

再度ですが、これはWebページ上で費やされる時間をできるだけ長くすることにつながります。

Brianさんが記事で紹介していたバケツリレーの例は以下のようなものです。

  • これで決まり:
  • さて:
  • つまり:
  • スゴイのは:
  • さらに良く・悪くなる:
  • 落とし穴:
  • 一番知るべきことは:

5. サポートビデオを使う

ビデオはコンテンツの力を強化するにはすばらしい方法で、Webページの滞在時間を改善するにも効果的です。5分間のビデオをずっと見てくれれば、その5分間を滞在時間に加えられます。

また、ビデオはポイントを理解させるための優秀な方法でもありテキストの箸休めとして、もっとおもしろいコンテンツを楽しんでもらえることにもつながります。

最後に

Webサイトのコンテンツを作成するとき、よく研究された便利でおもしろいコンテンツを書くことは大切ですが、同時に人びとがそのコンテンツにエンゲージするか考えることも大事です。ユーザーがコンテンツから欲しいものを得て「このコンテンツは質が高く、エンゲージメントがもっと低いほかのコンテンツより上位に来るべきだ」というエンゲージメント信号を検索エンジンに送る、という2つのメリットが得られる、という狙いがあります。

(原文:5 Essential SEO Strategies for Improving Engagement Metrics

[翻訳:加藤由佳/編集:Livit

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