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SNSよりもコスパ抜群!メルマガの効果を最大化する6つのコツ

2017年02月16日 23時00分更新

文●John Stevens

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楽天やAmazonがしつこくメールマガジンを送信してくることからも分かるとおり、メールはいまでも使えるマーケティング施策。ただし、漫然と送っていても効果はありません。効果を高める6つのコツとは?

Direct Marketing Associationによると、メールによるマーケティングに1ドル費やすごとに38ドルのROIが期待できるそうです。また、メールの効果はMonetateのデータにも裏付けされています。購買経験5億回分のデータを基にしたMonetateの分析によれば、検索とソーシャルメディアトラフィックを合わせたよりも、メール単独でのコンバージョンの方が高いことが分かりました。

1秒間に250万通を超えるメールが送信されていますが、価値があることが分かったのです。とはいえ、誰もがたくさんのメールにうんざりしており、メールによる宣伝手法は洗練に洗練を重ねなければ大きな成果を期待できません。メールを使って確実に成果を上げる6つの方法を以下に紹介します。

1.「一括送信」メールよりもセグメント化されたメールを利用する

ほとんどの企業は精力的に集めたメールアドレスを1つのメールリストにして、オファーやブログ投稿、メッセージを送信するといったメールマーケティングの手法をとっています。この方法はメールマーケティングとしては時代遅れなだけではなく、きわめて非効率なことが分かっています。

MarketingSherpaによるセグメント化されたメール送信手法の影響分析調査では、メールを「一括送信」せずに、メールリストをセグメント化して送信することで売上を208%まで増やせることが分かりました。

セグメント化の要素は、たとえば、地域、ジェンダー、興味、メール購読者の購入頻度など、たくさんあります。

2.メールを送信するタイミングを最適化する

調査によると、メールを送信するのに最適な日や時間があることが分かっています。Experianのベンチマークレポートによると、1つのメールから高いトランザクション率と最高の収益を上げたい場合、平日なら月曜日が最適だということです。一方で、週末にメールを送信するなら日曜日が最適だそうです。GetResponseによる調査では、開封率とクリックスルー率がもっとも高いのは火曜日だと分かっています。メールを送信するのに最適な時間に関しては、午前10時から11時の間が最適だいう調査結果が有力です。

さまざまな要素がメール開封率に影響を及ぼします。たとえば、メール購読者の居住地は非常に重要です。というのは、カリフォルニアの午前10時はフロリダやドイツの午前10時とは時間差があるからです。メールを送信する場合にこうした地域差を考慮する必要があります。

契約しているメールサービスプロバイダーがメール購読者の居住地の時間をベースに自動的にメールを送信できるサービスを提供している場合、必ずこの機能を利用してください。AWeber、Getresponse、MailChimpをはじめとするメールサービスプロバイダーが登場したことで、タイムゾーンに基づいてメールを最適化し、送信するのが容易になりました。

3. メール開封率に基づいて広告の潜在顧客をターゲティングし直す

メールの送信頻度が多いと不愉快に思われるのか、それとも親しみがわいてくるのか? この質問の答えは、オレゴン州立大学の教授が1968年に実施した実験から分かります。

この教授、Charles Goetzingerは「慣れ親しむ」ことで不愉快に感じるのか、親しみがわくのかの調査のため、教室に大きな黒い袋を置いて学生の反応を観察しました。はじめ、学生は黒い袋と距離を置いていましたが、時間が経つにつれて慣れ親しんできたため、興味を持ち始め、最終的に親しみを覚えるようになりました。

これは「単純接触効果」または「熟知性の原則」と呼ばれる心理学の原則で説明できます。マーケティング担当者は同一の原則を「7回のルール」と呼んでいます。オファーを出し続ければ、受け入れられる可能性が上がるということです。

メールを開いた場合、リンクのクリックや送信者が望む行動をカスタマーがしなくても、企業名やブランドに親しみを持ってもらえます。カスタマーが自社のメールを開いた場合は、広告のターゲティングを設定し直し、関連したオファーを送ることで、熟知性の原則のために成果を上げられる可能性が高くなります。実際、非常に効果的な手法であるため、調査によるとコンバージョン率を400%まで上げられることが分かっています。

4. ちょうど48時間後に再度メールを送信する

フォローアップのために次のメールを送信するのは、いつが良いでしょうか? 迷惑と思われたくないと考え、再度メールを送信することを恐れてしまう人は多く非効率になりがちです。再度メールを送信する効果を最大化する調査結果にあるとしたらどうでしょうか。

ユーザー200万人の160億通のメールを分析したUSC Viterabi School of Engineeringの調査によると、すべてのユーザーのうち90%が48時間以内に返信するか、そうでなければまったく返信しない、と分かりました。この調査結果を踏まえると、48時間以内に返信をもらえなかった場合、その後返信をもらうことは非常に難しいということが分かります。

ちょうど48時間後に再度メールを送信することが効果的であることが分かります。そうすることで、はじめに送信したメールはフレッシュな印象のまま潜在顧客の心の中に残り、返信をもらえる可能性が高くなります。それでも返信がない場合は、この調査に基づいて開発された3-7-7フォーミュラの利用を考えることをおすすめします。

マーケティングメールをニュースレターとして送信している場合、その送信結果を利用し、送信したすべてのメールのうち未開封のメールをセグメント化します。さらに、メールをモニターして48時間以内にメールを開封しなかった人を確認し、セグメント化して再度メールを送ります。未開封のメールをセグメント化できるメールソフトウェアプロバイダーの一覧が最近公開されました。以下に利用上のコツを書きます。

  • 再度メールを送るまで少なくとも48〜72時間待つ
  • 再度送るメールが過去に送信したメッセージに基づいて送られていることを明確にする
  • メールがそもそも開封されなかった理由と関係している可能性があるため、返信メールのタイトルを変更する

5. メールをモバイル端末用に調整する

現在、モバイル端末のみからの訪問数がデスクトップのみからの訪問数を超えたことは立証されています。少し前にはグーグルがモバイルユーザーに最適化されていないWebサイトにペナルティを課し始め物議を醸しました。ほとんどの企業もメールマーケティグをモバイルユーザー向けに最適化しています。

メールをモバイル端末用に最適化しなかった場合、大きな売上を失っています。実際に、ある調査によると、スマートフォンで読めないメールのうち75%ものメールが消去されています。メールサービスプロバイダーがメールをモバイル端末用に最適化するオプションがあるかを必ず確認します。もっと重要なのは、メールを送信する前にすべてのメールがモバイルデバイスで閲覧できるかテストしておくことです。

6. メールの自動送信およびターゲティング機能を利用する

ほとんどのメールサービスプロバイダーは自動送信機能がありますが、今日、メールマーケティングはもっと洗練されています。ほとんどのメールサービスプロバイダーは「もしこうなら、こうする」というシナリオに沿ってメッセージの送信を完全に自動化できます。

この機能を使うと、メール購読者が別々の行動を取っても、その行動に見合う内容の異なるメールをそれぞれのメール購読者に簡単に自動的に送信できます。たとえば、送信したメールをしばらくの間開封しなかった場合、メールの送信数を減らせます。送信したリンクを積極的にクリックし、コンテンツの閲覧を楽しんでいる場合、徐々にオファーを増やせます。製品を買ってくれた場合、より高額な製品の提案ができます。

利用しているメールサービスプロバイダーでこのオプションが利用できるかを確認し、自社で対応できないないような高性能な自動化システムを使って、メールに対する回答に合わせてターゲットを絞ったメールを送ることが重要です。

(原文:6 Email Hacks Guaranteed to Boost Results from Your Email Efforts

[翻訳:中村文也/編集:Livit

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