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バズっただけで満足しない! 7ステップで書くコンバージョンライティングのコツ

2016年11月10日 23時00分更新

文●Greg Snow-Wasserman

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どんなにおもしろいコンテンツを作ってネットで話題になっても、ただページビューが増えるだけでは意味がありません。「ブランディング」という言葉でごまかさず、成果を出すコンテンツ作りの基本を押さえましょう。

情報が豊富で楽しく、信憑性が高く、そのうえ自分の製品を宣伝までできるコンテンツはどのように作れば良いのでしょうか。しかも、コンバージョン・ファネルに踏み込んでいることを読者が気づかないようにです。

コンテンツが検索エンジンのランキング上位に入っているとしても、読者に製品を買わせたり、メール登録をさせたり、コンタクトフォームを書かせたり、あるいはほかの形のコンバージョンまでこぎつけられたりするという保証はないのです。

でも、良いお知らせがあります。オーディエンスがどのような記事を好み、コンテンツを探すときにどのようなキーワードを使い、販売促進のためにはどのような記事を作成すれば良いのかを、この記事では7つのステップで紹介します。

戦略的に行動する

良質なコンテンツで一番大変なのは、スタート地点をはっきりとさせることです。とにかくコンテンツを作り始めて、その中からなにを言いたいのか見つけていく方法は確かにあります。しかし、その方法で自分のメッセージが本当にオーディエンスに響いているか分かるでしょうか。

また、そもそも人びとがどのようなコンテンツを探しているのか分かるでしょうか。計画に失敗するということは、最初から失敗することを計画しているのと同じなのです。そんなわけで、コンバージョンできるコンテンツを作るためには計画を練るところから始めます。

Step1 行動を把握する

人びとが、現在、なにをシェアしたり被リンクしているのか調べるところから始めます。シェア・被リンクをされているのは、便利で楽しく、情報が分かりやすく書いてあるコンテンツ、または3要素がすべて詰まったコンテンツです。どのようなものが見込み客に響いているのか知るには、なにがシェアされているのかを観察すれば良いのです。

BuzzsumoAhrefsを使って業界、製品、トピックを調べ、ソーシャルメディアや被リンクを通じてシェアされたページを見つけてください。

Buzzsumo content that converts screenshot

ただし、シェアだけからすべての情報は得られません。ユーザーが、オンラインでなにを話しているのかに合わせなければならないからです。

これに関しては、Twitterの新しいダッシュボード機能、カスタムフィードが便利なツールとして使えます。誰かがTwitterアカウントをメンションすればTwitterから通知が来ますが、それだけではユーザーの発言や会話の大部分が見逃されてしまいます。しかし、カスタムフィードなら、自分のコンテンツマーケティングに関連するどのような言葉、フレーズ、ハッシュタグのメンションでも追跡できます。たとえば「WooRank」で検索すれば、人びとがどのようなSEOやマーケティングツールを必要と話しているかを追跡し、需要に合わせてWooRankのメッセージを変えられます。

Twitter dashboard custom feed

最後に、会社や製品、または業界に関するGoogleアラートを設定します。その名前から分かるように、Googleアラートは自分のキーワードを含む記事やWebページのお知らせを送ってくれます。ブランド・マネジメントやレピュテーション・マネジメントにも役立ちます。

Content marketing Google Alert screenshot

Step2 先回りする

コンテンツ計画のStep2は、人びとが自分のトピックに関して情報収集をするときに実際に使っている言葉やフレーズに合わせてコンテンツを作ることです。そう、おなじみのキーワード研究です。Google Search Consoleアカウントから情報収集を始め、もっとも成功率の高いキーワード、つまり現在検索順位が高いか、またはクリック数の多いキーワードを見つけてください。

Google Search Console search analytics

使っているキーワードの中でどれがターゲットにふさわしいかを判断するには、WooRankのSERP Checkerが使えます。最大3つまでの競合を加えておけば、どこで競合を追い抜けるのか分かりますし、競合のキーワード戦略の隙間を見つけて攻めることもできます。

WooRank SERP Checker

リストが手に入ったら、SERP Checkerが提供している良質な無料ツールを使い、ターゲットにすべきキーワードについてのアイデアをさらに探します。

Step3 オーディエンスを種類分けする

1つのメッセージがすべての見込み客に対して効果的というわけではありません。そのため、それぞれが異なるバイヤーペルソナ(マーケティングペルソナとしても知られる)をターゲットに、メッセージをきちんと送れるコンテンツを作らなければなりません。バイヤーペルソナとは、いろいろなタイプの見込み客を一般化して想像したもので、製品やビジネスについて誰が興味を持っているのかを、いろいろな方法で示します。

分析と売上データはこの過程で必要不可欠です。オーディエンスセグメント(オーディエンスの分類)を始めるには、幅広い年齢層・性別層をターゲットにしてから細分化します。また、ビジネスに関連するインタレストカテゴリが異なるのであれば、それに合わせたセグメントを新しく作ります。

アナリティクスに記録されない関連データを集めるには、カスタマーにインタビューをするか、Webサイトのフォームからキャプチャーを撮るという方法があります。ビジネスタイプ(消費財かBtoCか、など)によりますが、次のような情報を集めてください。

  • 職名または職務
  • 所在地
  • 業種
  • 企業または家屋の規模
  • 家庭の調達責任者

これらの情報を使ってコンテンツを設計します。その際、各セグメントの特徴にもっとも関連し、コンバージョン率を上げるような特徴、メリット、使い方を強化できるコンテンツ作りを目指します。

計画を実際に実行する

Step4 すばやく簡単に

ユーザーをコンバージョンさせるには、ユーザーがコンテンツに没頭している状態でなくてはなりません。ユーザーをコンテンツに引き止めておく方法としてベストなのは、コンテンツを短く簡潔にすることです。

ある研究によると、読者がWebサイトを離れるのは開いてから7分後と分かっています。また、多くの人はオンラインでコンテンツを完全には読まないということ、79%もの人びとがコンテンツを目でスキャンして個別の言葉やフレーズを拾っているだけだという事実にも注目しなければなりません。楽しくてためになり、同時にユーザーをコンバージョンに導くようなコンテンツを作るのは、ずっと難しくなってきます。

どのように対処すればよいでしょうか。そう「リスティクル(listicle)」です。リスティクルをクリックベイト(clickbait)として使うにはシンプルすぎると言う人は多いですが、実際リスティクルは使えます。そして、使える理由もちゃんとあります。リスティクルを使うと、脳が新情報をもっと簡単に処理・保持できるという理由です。それに、リスト化すると情報認識力や記憶力が向上するという事実は1968年から知られています。

また、リストは読んでいる内容を理解しようとしている読者の精神的な負担も和らげてくれます。マーケティング用のコンテンツを読む読者が「しなくてはならないこと」として嫌うものが1つあるとすれば、それは考えることです。そこで、リストの出番です。なぜなら、リストは重要な情報を、さほど読み込む必要のない短いスニペットに分けてくれるからです。

リスティクルはSEOの点からも優秀な存在です。リスティクルのコンテンツは検索エンジンが解析に使いやすいように構築されているので、キーワードをヘッダーやサブヘッダーで自然に使用するチャンスがたくさんあります。また「SEOを改善するための〇つのステップ」といったタグをつければクリックスルー率(CTR)も高くなります。

BuzzFeedが人気なのも、うなずけます。

Step5 見た目をよくすること

デザインはコンテンツマーケティングにおいて、実際のコンテンツと同じくらい大事な存在です。Webサイト訪問者はWebページやビジネスの印象を最初の0.5秒間で決めています。印象の大部分、そう、印象の95%はWebページのビジュアルデザインに左右されているのです。

Webサイトの視覚的要素はカラフルにしてください。コンテンツがカラフルに見えると、人びとがコンテンツを読む可能性は80%上がるからです。加えて、コンテンツ内の情報と画像がちゃんと関連している場合、書かれている情報の65%を3日後でも覚えています。一方、画像がない場合、記憶している情報量は10%にまで低下します。

イラスト、スクリーンショット、写真も製品やサービスを印象づけるチャンスです。製品がどのように使われるか見せたり、製品やサービスを使うことでカスタマーが得るメリットや達成できる目標などが目で見て分かるようにしてください。ただし、ストック画像を使ってはいけません。ストック画像ではないカスタム画像はコンバージョン率を35%、またはそれ以上高くするからです。

Step6 感情に訴えかける

人間は合理的な生き物だと思いたがる人は多いですが、実際は違います。少なくとも、どちらの製品を買おうか検討しているときは合理的なんかではありません。誰かに製品を買ってもらうように働きかけるには、製品への感情的なつながりが必要です。本当に効果的なコンテンツは、読者との感情的なつながりを作り出します。その上で読者は提供される製品やサービスを手に取るのです。消費財でよく見られる例で、Doveの「Real Beauty」キャンペーンやInternet Explorerの「Child of the 90’s」広告が有名です。

このステップでは先に作ったバイヤーペルソナが本当に役立ちます。カスタマーについて知れば知るほど、カスタマーにつなげるメッセージを上手に作れるようになるからです。カスタマーはどのような問題を抱えていて、自分の製品はどのように解決するのか。製品がどのようにカスタマーの目標達成を支え、生活をより価値あるものにするのか。コンテンツで紹介しているビジネスがどのようにしてカスタマーに成功をもたらし、人生をよりスムーズにしたり、あるいはただ幸せにしたりする存在なのか、しっかり説明してください。

また、少し焦らせるようなキャッチコピーを投入し、Webサイト訪問者をもうひと押しします。人びとは買い物中にどれだけリラックスしているかは、コンバージョンプロセスの進行とは反比例するからです。さて、カスタマーを焦らせるには2つの方法があります。

  • 製品によってもたらされるメリットがいますぐ必要だと強調する:ターゲット研究をして製品を買う可能性がもっとも高そうな検索ユーザーを特定してターゲットにしたり、焦らせるようなキャッチコピーでWebページのコンバージョンに導いたり、という手法がある。比較、例示、比喩を使い、製品をできるだけ早く買わないと損をするというメッセージを伝える
  • すぐに失効する特別オファーを投入してコンバージョンに導く:特別オファーの期間が長いと、ユーザーは競合製品との比較にじっくりと時間をかけたり、そもそもその製品が必要かどうかなどを延々と自問し始めたりする。最終的に買わないという選択に落ち着く可能性もある

コンピューターの前に座っているユーザーがどれだけくつろいでいるかまではコントロールできないものの、時間をかけるとすばらしいチャンスを逃すかもしれない、と不安な気持ちにはさせられます。

Step7 信頼を築く

信頼は誰かに製品を買ってもらうように説得する上で、非常に大切です。火を見るより明らかなことです。しかし、信頼とはどのように築けば良いのでしょうか。

信頼を築くのにもっとも効果的な方法の1つに、レビューやそのほかの社会的証明の掲載があります。研究によると、消費者の4分の3が買い物をする前に製品のレビューを見ていて、オンラインレビューは信頼できる口コミだと感じています。EコマースのWebサイトなら、製品レビューは絶対的に大事です。カスタマーレビューがたったの1件あるだけで、その製品ページの売り上げは10%も上がるのです。レビュー対象の製品がないなら、サービスを利用したクライアントからの証明を掲載し、得られるメリットをアピールしてください。

もう1つ、コンテンツマーケティングは、信頼を築いて自分のビジネスをオピニオンリーダーの位置に据えるすばらしいチャンスとなります。読者の意志決定を誘導するようなコンテンツを使うのです。Step4にも結びつきます。カスタマーに業界についての全体的な知識を授け、研究や評価などの精神的負担を和らげられれば、製品やサービスに対するカスタマーの信頼度はさらに上がります。カスタマーの意志決定を簡単にすることで、顧客囲い込みはもちろん、新規購入件数も高くなるのです。

こうしたコンテンツは奥が深くて信憑性が高く、またたくさんのリンクを引き寄せるので、SEO対策としても効果的です。購入ガイド作成に少し時間をかけるだけで、常に利益を生み出すコンテンツが作れます。

常にテストし続けること

もちろん、これはデジタルマーケティングの領域ですので、すべてのステップを経たあとの最終ステップとしてテストと最適化の繰り返しが待っています。ずっと変化し続ける業界情勢と同じく、マーケティングも変えていかなくてはなりません。カスタマーの要求と期待はいつでも変化しているので、それに合ったコンテンツ戦略も必要です。どのようなメッセージにより多くのコンバージョンが集まったか調べてください。オーディエンスは値段と質、どちらを気にしているでしょうか。どのような機能がオーディエンスにもっとも訴えかけるでしょうか。より効果のある言葉やフレーズはあったでしょうか。

また、いろいろなメディア媒体も試してください。YouTubeチャンネルを作って成功談についての動画を配信するという手もあります。インフォグラフィックもリンクビルディング対策には心強いコンテンツです。それぞれの効果もテストするようにしてください。

一般的にはオーガニックサーチが一番効果的だと思われていますが、ソーシャルメディアにも時間のかけ甲斐があるかもしれません。ゲストによるブログ投稿機能を提供し、オフページコンテンツを作るのはどうでしょうか。いろいろ試して、もっともコンバージョン率の高いコンテンツや媒体に集中してください。

※本記事はWooRankのSEOシリーズの1つです。SitePointでの記事公開に協力してくれたパートナーへのサポートに感謝します。

(原文:7 Steps to Write Content that Converts

[翻訳:加藤由佳/編集:Livit

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