「会話型」はUIの最終形なのか?「api.ai」のCEOに聞く、IoTの未来

2016/07/29

Elio Qoshi

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IoT時代のUIはSiriのような会話型に収斂していくのでしょうか。人口知能ブームとともに、注目を集める自然言語処理APIのスタートアップ「Api.ai」のCEOが考える、AIとIoTの未来とは?

今日、人工知能は、消費者、インフルエンサーを問わず、多くの人にとって魅力的なテーマの1つです。今日は、Api.aiのCEO兼共同設立者のIlya Gelfenbeyn氏をインタビューします。大変光栄なことです。Api.aiは、インターネットに接続されたデバイスやアプリ、自然言語理解能力もある会話型UXプラットホームの提供をしています。SitePointをいつも読んでくれている人なら、2016年初めに書かれた、プラットホームに関する話題の口火を切ったApi.aiのシリーズ記事で、サービスのことはすでにご存じかもしれませんね。

Ilya氏は、機械学習や自然言語処理、そして会話型インターフェイスを学んでこられました。

Ilya Gelfenbeyn

Ilya Gelfenbeyn氏 Api.ai CEO

Api.aiとは?

Elio Qoshi:Ilyaさん、今日はインタビューに応じていただき、ありがとうごいます。

Ilya Gelfenbeyn:こちらこそ。

Elio:以前にもApi.aiの記事を掲載したことがありますが、Api.aiプラットホームの背景にあるコンセプトをIllyaさんから簡単にご説明いただけますか?

Ilya:もちろんです。人間と会話するみたいに、機械と実際に会話を交わすところを想像してみてください。Api.aiは、人間とボットやアプリケーション、サービスやデバイスとの間の自然言語による会話というユーザーエクスペリエンスを提供するプラットホームです。Api.aiプラットホームによって、開発者は会話型プログラムのチャットボットと知的音声コマンドを製品やサービスの中でシームレスに統合できます。開発者はApi.aiを、音声認識やコンテキスト認知、会話管理に使って、素早く簡単に自社ビジネスを差別化して、顧客満足をあげ、ビジネスプロセスを改善できます。

Elio:Api.aiがもっとも力を発揮するのは特にどんなケースですか?

Ilya:多様な業界のケースで使えます。実際Api.aiが、旅行、カスタマーサービス、eコマース、IoT、ゲーム、自動車、金融その他さまざまな業界で、イノベイティブかつクリエイティブな方法で使われているのを目にしてきました。より魅力的で個人的なユーザーエクスペリエンスを構築することで、顧客維持、売上増大、経費削減が改善し、生産効率を向上できます。会話を伴うユーザーエクスペリエンスは、ユーザーと製品や企業、デバイスとの関係が、より人間的で強く結びついているように感じさせてくれます。同時にそれが効率化のための自動化を実現してくれるのです。

Elio:開発者がApi.aiを使えるようになるためには、どのようなことを知っておく必要がありますか? なにか必須条件のようなものはありますか?

Ilya:Api.aiがあれば、開発者は(そしてプログラマー以外の人も)、知的で洗練された会話型ユーザーインターフェイスを簡単に自社製品の中に統合して設計できます。ボットまたはエージェントを作れば、迅速かつ簡単に、多様で従来から統合されていますプラットホームに実装できます。具体的には、Facebook messengerやSlack、Twilio、Cisco Tropo、Spark、Skype、Kik Telegramやそのほかのたくさんのプラットホームが挙げられます。

システムによって処理された25億のユーザークエリーに基づくさまざまな人気の話題に対応すべく、事前に作られたいくつかの情報パッケージを活用できます。情報パッケージを使えば、特別なプログラミングなしで即座にエージェントが何千という多様なリクエストを理解できるようになります。加えて、Api.aiにはSDKの優れたライブラリーがあるので、もっとも人気が高いプラットホームやテクノロジーとも統合できます。

Elio:Api.aiはどのように始まったのですか?

Ilya:Api.aiを展開しているSpeaktoit社は、Artem GoncharukとPavel Sirotin、そして私の3人で共同設立しました。3人は、自然言語による会話とディープラーニングを土台にした、人間とコンピューターの相互作用に関するテクノロジーが専門なんです。2011年に、知的パーソナルアシスタントアプリであるAssistantを、Siriがリリースされる半年も前にローンチしました。3000万人のユーザーがいるAssitantは、最高の評価を得たAndroidアプリの1つです。

2014年に、Assitantで得た知識やデータ、そしてテクノロジーを活用して、Api.aiというプラットホームを開発者に提供することを決めました。

Elio:Api.aiとほかのボット開発サービスとの違いについてどのように考えていますか?

Ilya:ボット開発サービスには2つのタイプがあります。1つは、単に私たちのパートナー企業が作るようなキットを統合するだけのものです。もう1つは、自然言語理解(NLU=Natural Language Understanding)をベースにしたものです。NLU用としては、Api.aiが会話体験を設計するためのもっとも洗練されたツールです。

Creating a Slackbot with Api.ai

Elio:Api.aiと、SlackやAmazon Echoといった製品群はうまく統合できますか?

Ilya:Api.aiがサポートされたプラットホームには簡単にエージェントを取り込めます。具体的には、Twilio Programmable SMS、Slack、Facebook Messenger、Telegram、Kik、そのほか多くのプラットホームがあります。クリック1つで、即座に新規ユーザーのチャネルにエージェントが表示されます。そして、常に新しい統合チャネルを増やしています。

Elio:これからの数か月または2017年に向けて、どのような新機能をローンチする予定ですか?

Ilya:私たちは、常に開発者エクスペリエンスを高め、先進の会話型シナリオを速やかに、そして簡単に作って実装できるように努力しています。また、自然言語理解エンジンを強化するAIの改善にも常に努力しています。

AIはIoTになにをもたらすのか

Elio:それは期待できますね! それでは、IoTについても少し話したいと思います。Api.aiは、AIがIoTの世界にどんなメリットがもたらすとお考えですか?

Ilya:AIは一般論として、デバイスが人間をより理解し、人間のニーズや意志や行動を推測する助けになると考えています。会話型AIはデバイスと人間との間(そしてデバイス間)のコミュニケーションの汎用的なインターフェイスになると思います。もう、デバイスの使い方を学ぶ必要がなくなります。人間が自然言語を使って、なにをして欲しいか表現するだけでいいのです。デバイスがコンテキストとユーザー特性を共有してくれるので、速やかに理解するためのベースラインができるのです。

Elio:プラットホーム上のスマートデバイスを設定するためには、どんな条件や知識が必要になりますか?

Ilya:Api.aiの中にエージェントを作ったあと、デバイスに接続するためのプログラミングのスキルが必要になります。私たちは、この作業をできる限り単純にするために、もっとも人気の高いプラットホーム用の多様なSDKを提供しています。

Elio:Amazon EchoやSiri、Google Homeといったスマートホームデバイスとの統合について、Api.aiはどのようにサポートしますか?

Ilya:Google Homeはまだローンチされていませんし、Siriはほとんどの部分に対応していません。 Amazon Echoについては、Api.aiにエージェントエクスポート機能があります。

Conversation Example

Elio:もしApi.aiのユーザーが、ある時点で、ほかのサービスに乗り換えたい(またはほかのサービスと一緒に使いたい)と思った場合、どのように移行するのですか?

Ilya:ユーザーは、Api.aiで作ったインテント定義はエクスポートできますが、自然言語理解のクオリティに関して同じレベルを維持するのは容易ではありません。しかしデータは他社のプラットホームでも使えますので、必要であれば開発者はほかのサービスにそれまでのデータを活用できます。

Elio:IoTやクラウドベースのサービスは堅牢なWeb接続に強く依存していますね。サーバーがダウンした場合、ユーザーに対してApi.aiはどのような方法で対処しますか?

Ilya:Api.aiはAWSやそのほかの信頼できる(99.999%保証)クラウドサービスプロバイダーを使っています。またオフラインやハイブリッドの実装サービスも提供しています。基本的には、エージェントをデバイスにエクスポートしてローカルで実行できます。この機能は特別なニーズ(プライバシーまたは接続性への懸念)を持った大規模なお客さまに提供しています。また、可能なときには接続モードで実行し、必要に応じて自動的にローカルに切り替えるハイブリッドモードでも使えます。具体例としては、インターネットサービスが使えなくなったときのコネクテッドカーがあります。

Elio:IoTとロボティクスによって、ホームオートメーションは全面的に新しいレベルに変わる可能性があります。Api.aiがすでに家の中のロボティックスに使われている実例はたくさんありますか? またほかの分野へ広く活用される準備はできているでしょうか、そして実際に使用されるまでの道のりをどのように描いていますか?

Ilya:私たちの自然言語処理プラットホームが、現実の世界でホームロボティクスに使用されている事例はいくつもあります。しかし、そのお客さまの事例についてはまだ詳しくお話しできる段階にありません。とはいえ、開発者がホームロボティクスなどの事例に関して手がけるプロジェクトの数は増加しています。ホームロボティクス市場の開発者が増えれば増えるほど、Api.aiのユーザー理解は進化します。ホームロボティクスのような事例に関する現実的な開発プラットホームはApi.aiだけなんです。私たちはホームロボティクス市場の牽引者であり続けたいと願っています。

Elio:近い将来、多くのイノベーティブなものが出てきそうですね! Ilyaさん、今日は質問に答えていただきありがとうございました。今後、IoTの世界でApi.aiの名がたびたび話題になると確信しています。

Api.aiを試したり、Api.aiの能力をもっと知りたい人は、Patrick Catanzaritiの書いた『How to Build Your Own AI Assistant Using Api.ai』シリーズを読んでください。

(原文:Ilya Gelfenbeyn, CEO of Api.ai, on AI and the IoT

[翻訳:島田理彩]
[編集:Livit

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Elio Qoshi

Elio Qoshi

オープンソースなら何でも愛するフリーランスのデザイナーです。現在SitePointのアンバサダープログラムを運用中。Open Labs Hackerspaceのボードメンバーも務め、フリーソフトウェアやオープンソースの宣伝活動もしています。Mozillaにコミュニティデザイン・チームを発足し、GlucosioGalliumOSではCreative Leadを務めています。SitePoint以外では自分のブログで自身のアイデアを発信中。

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