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ついにスマホ広告費が新聞抜く、ネット広告市場規模調査

2017年05月30日 08時00分更新

文●D2Cスマイル

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D2Cは2016年1月~12月のインターネット広告市場における「デバイス別の広告費」「ビデオ(動画)広告費」「広告種別の広告費」と、2017年予測を発表しました。

2016年インターネット広告市場規模推計調査~D2C/CCIが独自推計~
http://www.d2c.co.jp/news/2017/04/17/1763/

今回は、リリースには記載されていない広告フォーマット別市場規模等の詳細について、押さえておくべき3つの転換点として紹介します。

■押さえておくべき3つの転換点

  1. 広告手法の転換
  2. 広告掲載先デバイスの転換
  3. 表現手法の転換

1.広告手法の転換

日本のインターネット広告媒体費は、前年比113%で2016年で1兆円に到達し、2017年も前年比112%と2桁成長を維持すると見込まれます。
広告タイプ別で2016年の内訳を見てみると、運用型71%(前年比119%)、予約型15%(前年比96%)、成果報酬型14%(前年比107%)となりました。

eMarketerが発表している米国インターネット広告市場に関するデータから算出すると、運用型広告比率は既に8割を超えていますが、依然として高い成長率を維持しています。米国インターネット広告市場における運用型広告比率の伸びに照らすと、日本でも運用型広告比率はさらに高まると想定され、2017年の運用型は74%程度になると見込まれます。

2.広告掲載先デバイスの転換

広告掲載先のデバイスです。スマートフォン広告費/PC広告費のシェア率を見ていきましょう。

2016年のスマートフォン広告市場は6,476億円でシェア6割に達し、ついに新聞広告市場(5,431億円)を上回りました。その一方で、PC広告市場は2014年以降減少を続け、2017年にはシェア3割まで縮小する見込です。

モバイル広告比率の推移を米国市場と比較すると、もともとはフィーチャーフォン広告を土台として日本が先行していましたが、現在はスマートフォンの普及によりほぼ同等の比率となっています。米国市場におけるモバイル広告比率が今後も成長を続ける予測となっているように、日本市場においても同様に高まっていくと想定されます。

スマートフォン広告とPC広告のタイプ別構成比と成長率

スマートフォン広告のタイプ別構成比と成長率は2016年に全領域増加して、もっとも伸びた「ソーシャル広告」は前年比163%の成長となりました。
タイプ別では検索連動型広告がまだ最大シェアを維持していますが、他のシェアが伸びていることにより成長は鈍化気味です。減少傾向にある予約型広告も前年比149%と、スマートフォン広告ではまだ高い成長傾向にあります。

PC広告のタイプ別構成比と成長率は、大きなシェアを占めていた検索連動型広告と予約型広告の縮小傾向により、2014年以降全体を落としています。2016年は予約型広告が大幅に落ち込み前年比69%、検索連動型広告も前年比88%となり、その他で現状維持(少し拡大)の傾向があったもののリカバーするまでに至っていません。

3.表現手法の転換

JIAAが定義する広告フォーマット別に市場規模を推計しています。ビデオ(動画)広告以外は前年数字を把握できていないため成長率は分かりませんが、リスティング広告のシェアがもっとも高く36%、次にディスプレイ広告23%、続いてネイティブ広告17%でした。


ビデオ(動画)広告の市場規模は2016年は869億円、2017年は1,224億円と推計され、2017年にはインターネット広告市場の約10%程度まで拡大する見込みです。
デバイス別では、ビデオ(動画)広告市場規模はスマートフォンの比率が高く2016年で74%、2017年は8割を超えるのではないでしょうか。

インターネット広告市場のこれから

2016年の調査で、広告タイプ別では運用型広告のシェアが71%、デバイス別ではスマートフォンシェアが62%にまで拡大しました。日本のインターネット広告市場は運用型のスマートフォン広告がメインになりました。一方、インターネット広告市場の歴史や世界の動向に目を向けると、デバイスやアドテクノロジーなどさまざまなトレンドを取り入れ変化しながら、今後も成長し続けると考えます。

(記事提供:D2Cスマイル

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