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「音楽案件」に使えるWordPressプラグイン 単価アップでホクホク

2016年06月03日 13時10分更新

文●Sally Wood

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「アーティストのサイトを作って」と依頼されたらどうします? プロフィールにディスコグラフィー、ライブ情報、ブログ……。そんな定番コンテンツだけでなく、プラスアルファの提案に使えそうなWordPressプラグインを集めてみました。

今日、ネット上で存在感を示すことは、地域の医師や国際法律事務所、グローバルな報道関係など職種にかかわらずとても重要です。音楽業界でも例外ではありません。実際、音楽の無料ストリーミングサービスに続き、CDやデジタル配信の売り上げが下降し続ける中、ネット上で存在感をアピールするのは、ミュージシャンにとって欠かせないことなのです。

ラッキーなことに、ミュージシャンには自由に使えるWordPressがあります。WordPressを利用すれば、テクノロジーに疎いミュージシャンでも、自分の才能を引き立てるWebサイトを作成し、ネット上で公開できます。

WordPressの標準ツールキットなら、どんなミュージシャンでもうまくいきますが、本当に自分のWebサイトが謳われ(「歌う」とかけました!)、訪問者がサイトを長時間閲覧して曲を買ったり、演奏を再生したり、絶賛するレビューに書き込んだりするようなWebサイトを作成したいなら、これから紹介するWordPressプラグインが強い味方になってくれます。

ツアー日程の管理に役立つWordPressプラグイン

ミュージシャンにとって最も基本的なことは、ライブパフォーマンスです。ステージを愛し、観客にパフォーマンスをすることは、ミュージシャンがミュージシャンである所以の1つ。ツアー日程やイベントの管理に役立つWordPressプラグインを紹介しましょう。

Event Organiser

Event Organiserはバンドやミュージシャン専用のものではありませんが、幅広くイベント管理ができるプラグインで、ライブ管理にも利用できます。とても多彩なイベント管理ツールで、イベントを企画・運営するのに役立ちます。WordPressの「カスタム投稿タイプ」を使い、追加機能を使ってイベントも投稿と同じように使えます。イベントを繰り返したり(複合カスタムスケジュールを使用)、イベント会場を指定したり、iCalと連動させたり、割引コードを発行したりとさまざまなことができます。

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また、Event Organiser Proという有料のプレミアムアドオンもあり、予約管理やPayPalでの支払い、イベント検索ショートコード、会場用カスタムフィールドなど、さまざまな機能がついています。価格は1サイトあたり40ポンドからです。

数字に関心がある人は、このEvent Organiserがぴったりです。これまでに50万件以上ダウンロードされ、3万件が実際に利用されています。さらに、80以上のレビューで星評価4.7と、なかなか良い評価を得ています。

GigPress

定期的にツアーやコンサートをするなら、GigPressをWordPressに加えると良いでしょう。2007年にリリースされたGigPressは、今後予定している、または過去のパフォーマンスをWordPress管理画面内で管理し、そのライブをGigPress WebサイトやPHPテンプレートタグ、簡単なショートコードなどを使って自分のWebサイトに掲載できるのです。

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このプラグインは驚くほど使いやすく、HTMLやCSSを使って外見を好きなように作成できます。GigPressでは複数のアーティストを管理し、複合リストやアーティストごとにまとめたリストも表示でき、ライブ会場を管理するのに適しています。このプラグインには、単独で表示できるGoogleカレンダーとiCalのダウンロードリンクのほか、iCalendarとの連動機能もついています。おそらくツアーミュージシャンなら、自分のWebサイトにはコンサートの詳細やツアー日程などを載せる必要があるはず。この方法を使えば楽に作成できます。

このプラグインは26万件以上ダウンロードされ(現在2万件強が利用)、星評価4.7を獲得しており、まさに最もポピュラーなツアー管理プラグインだと言えます。

MF Gig Calendar

MF Gig Calendarはとても簡単なイベントカレンダーで、あるミュージシャンがミュージシャンのことを考えて開発したものです。ニューヨークを拠点に活動していたジャズピアニストのMatthew Fries(MF Gig CalendarのMFはこれに由来しています)が、自分の音楽サイト用にフレキシブルなカレンダーが欲しかったため、このプラグインを開発したのです。

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このプラグインには、繰り返されるイベントのサポートや、スタイルを整えたテキスト、イメージ、リンクなどさまざまなメディアのイベント一覧表の取り入れ機能、大変使いやすいイベント複製機能、アウトプットのカスタマイズが可能なショートコードなどがあります。さらに、イベントカレンダーを好きなページや場所に何回でも載せることができます。しかし、ダウンロード件数は2万件(うち3千件の利用)と、GigPressほどの人気ではありません。

Gigs Calendar

Gigs CalendarはMF Gig Calendarより少し進化したもので(シンプルでフレキシブルという意味で)、ミュージシャンやバンドがWordPressで作成したWebサイトにライブパフォーマンスのカレンダーを掲載できます。

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ミュージシャンとファンの両方に使いやすいように、ライブなどの会場のマッピングやチケット購入リンクなどの会場関連データも管理できます。これまでのダウンロード件数は7万件強で、現在は3千件が利用されています。

バンドの写真管理に役立つWordPressプラグイン

ときには、自分やバンド全員の写真を載せたいこともあるでしょう。広告用やライブでの良い写真もたくさんあるでしょう。ファンは、そんな写真をなるべく簡単に見たいと思っているはずです。これから紹介する画像用プラグインはまさにうってけのものです。

NextGen

NextGENの製作者によれば、現在出回っているWordPress画像ギャラリープラグインの中でもっとも総合的なプラグインとのことです。NextGENには無料バージョンとプロバージョンがあります。プロバージョンの値段は39ドルで、写真をたくさんアップロードするバンドなら、それだけの金額を出す価値があるかもしれません。このプロバージョンには写真を少し独創的に加工できるオプションがあり、写真の幅をページいっぱいに広げたり、スライドショーを作ったりできます。

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他にも、さまざまな拡張機能がたくさんあります。もしマーケティングにおいて写真が重要ならば、NextGenは素晴らしい選択肢です。これまでに1400万件以上のダウンロードを記録し、現在も100万件の利用がある、信頼できる画像管理ツールであると確実に言えます。

NextGenが好みに合わないときは『8 WordPress Plugins to Create Awe-Inspiring Image Effects』をご覧ください。

サイト上での音楽再生に役立つWordPressプラグイン

新作をファンに公開したいとき、Webサイトにライブのプレビューを載せるのが一番良い方法でしょう。それを簡単に最小限のステップで実現できるプラグインがたくさんあります。

HTML5 jQuery Audio Player

自分のWordPressサイトに高品質な音楽用プラグインを追加したい場合、おそらくHTML5 jQuery Audio Playerが最も適したオプションでしょう。このプラグインを利用すれば、曲をアップロードして、訪問者にいつでも好きなときに曲を聴いてもらえます。モバイルにも使えるので、外出先で曲を楽しんでもらうこともできます。

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HTML5 jQuery Audio Playerの一番のメリットは、ページの好きな位置に配置できることです。プロバージョンであれば曲の購入ページに配置して、各トラックに「今すぐ購入」ボタンを表示できます。サイトは音楽を引き立てるものですから、この方法が最も適しています。

Spotify Master

バンドやミュージシャンはSpotify Masterを利用すると、音楽ネットワークであるSpotifyを通じて音楽やプレイリスト、アルバム全体などをディスプレイでます。JavaScriptの代わりにHTMLでコーディングされている、エラーのない拡張機能です。そのおかげで、ページのロード速度が速くなっています。

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どのようなページでも問題なく動作し、ウィジェットまたはショートコードを通して配置できます。さらに、モバイルに完全に対応しています。統計的にはまずまずで、2万7千件以上のダウンロードを記録しています。

SoundCloud Master

SpotifyではなくSoundCloudのユーザーなら、SoundCloud Masterを選択できます。Spotify Masterに似ていて、同じ製作者(TechGasp)によるものですが、こちらではSoundCloudプラットフォームをサポートしています! ダウンロード数は5万9千件におよび、現在も5千件以上が利用されています。

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ファンとのやりとりに役立つWordPressプラグイン

ミュージシャンなら誰でも、成功するにつれファンの1人1人とやりとりする時間は少なくなっていきます。おそらくEメールやブログの投稿コメント、ツイートのすべてに返信する時間はなくなるでしょう。ですが嬉しいことに、このような手間を自動化できるWordPressプラグインがあります。こうしたプラグインを利用したからといって、本人が返事を書いたことにはなりませんが、少なくとも何も返信しないよりは良いでしょう。

Thank Me Later

Thank Me Laterは、コンピュータに貼り付いて1日を過ごすことなく、ファンや支援者たちに対応するのに最適です。Webサイトにコメントが寄せられたあと、指定した時間に送信されるように自動返信を作成しておけます。

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ファンがコメントを載せたあと、5分後、1時間後、即時などと返信の送信時間を設定できます。ファンには個人的な回答に満足してもらえるし、ミュージシャン本人は次のヒットをめざして曲作りに励めます。ダウンロード数は16万4千件で、そのうち7千件が現在も利用されています。

Comment Redirect

Comment Redirectは、ファンに応える方法としては、「Thank Me Later」によるアプローチよりもう少し自動化されています。このプラグインでは返信ではなく、コメントが載せられるとすぐに投稿者を設定したページへリダイレクトします。

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投稿者に「ミュージック」ページを表示して「コメントをありがとうございました。ここから無料ミュージックサンプルをご覧ください」などといった一言を表示もできます。そのほかにも、「ツアー」ページを表示して、次回いつどこでツアーが開催されるかの告知もできます。

Gravity Forms

ファンや他のミュージシャンたちとやりとりをするのは、自分のプロフィールを築き、ネットワークを作っていくのに一番良い手段です。Webサイトは、多くの場合ファンやミュージシャン仲間が交流を図る大切な場なので、できるだけ簡潔に作ったほうがよいのです。無料問い合わせフォームのプラグインは多く出回っていますが、多少印象的なものを作りたいなら、Gravity Formsがお勧めです。

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以上で、バンドやミュージシャン向けの最も重要なWordPressプラグインの紹介を終わります。

(原文:Must Have WordPress Plugins for Musicians

[翻訳:Noriko O. Romano]
[編集:Livit

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