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SEOって本当にオワコン? マーケターがいまやるべき集客って?

2016年04月25日 08時00分更新

文●Ilia Markov

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「Googleは使わない、SEO対策しているから」という記事が話題でしたが、SEOはもう終わったのでしょうか? 米国のマーケター・Ilia Markovさんが考える、いまやるべきこととは?

「コンテンツこそが新しいSEOである」

過去数年、グーグルは検索エンジンのアルゴリズムを進化させてきました。ユーザーに提供するコンテンツの品質を(機械的に)見分ける能力を大きく改善してきたのです。

こうしたトレンドは、多くのSEO専門家にとってストレスの大きな原因でした。SEO業界で幅広く使用されているテクニックが、非常に短い期間で役に立たなくなる状況が起こっていたのです。

しかし、顧客に価値を提供したいと誠実に考えているプロフェッショナルたちにとっては、ポジティブな現象です。SEOの曖昧なテクニックが衰退したことで、高品質なコンテンツ作りに取り組めば、検索エンジンとの駆け引きに簡単に勝てると気づいたからです。

なぜコンテンツこそが新しいSEOなのか

(コンテンツこそが新しいSEOだという主張は)大胆な主張です。したがって、根拠を示さなければなりません。今後数年でSEOが大きく変わる主な要因が2つあります。

コンテンツの発見方法が変化している

検索エンジンがアルゴリズムになかなか組み込めなかったのが、ソーシャルシグナルです。 専門家たちはGoogleはすでにソーシャルシグナルを使用していると考えていましたが、実際にはさほど使われていません。理由は2つあります。

1つは、Google(およびそのほかの検索エンジン)は、主なSNSで公開されている情報を保持していないためです。だいぶ前にGoogleはTwitterとデータを共同で使用する契約を締結し、本格的な買収に動いているという噂もあります。それでもまだ、この領域の最大手のプレーヤーたち(Facebookや子会社のInstagram、LinkedIn、Pinterestなど)は独立したままでしょう。Googleは、SNSで公開されている情報を検索エンジンで使うとしたら、公正に行動しようという意志が弱くなるでしょう。

もう1つの理由は、ソーシャルシグナルからのデータが不正操作しやすいことです。ソーシャルのデータから、検索エンジンがどの情報を取り上げて、何を無視するかが難しいです。

検索エンジンにとってさらに大きな問題は、まったく新しいプレーヤーが現れることで、Webの利用方法が変化していることです。モバイルアプリは、新しいプレーヤーの一例です。コンテンツを探して消費するとき、モバイルアプリのように検索エンジンに頼らない方法が出始めたのも、コンテンツの発見方法が変化している例の1つでしょう。

SEOは今後も続く

ビジネスを伸ばすための投資資金がある場合、成長をジャンプスタートさせる方法はよく知られています。しかし、たとえジャンプスタートで進むと決定したとしても、最善の策は高品質のコンテンツです。理由を以下で説明します。

・コンテンツはもっとも低コストな方法

コンテンツがもっとも低コストだと分かる簡単な例として、コンテンツマーケティングの技術をきちんとマスターしているBuffer社をとりあげます。同社が公開しているブログ統計の2014年6月のレポートによると、6月の1カ月間で、Buffer社のブログに約70万人のユニークユーザーが訪問しています。

SEOのために有料メディアを使ったりバックリンクを購入したりした場合、どれくらいのコストがかかるかは計算できます。しかし、集めたオーディエンスをターゲティングする方法、コンバージョン率の改善、その他の利点は考慮していません。たとえ競合がいたとしても、オーガニックコンテンツによる成長は、大量のオーディエンスにリーチするもっとも低コストであるということです。

・コンテンツは自然かつ高品質に

リンクやその他のテクニックの購入は否定的に考えられていますが、現実としては多くの人がそれらのテクニックを使い続けています。

しかし、繰り返してきたように、Google(およびすべての検索エンジン)は、そうしたテクニックを認識し、使用者にペナルティを課すように大きく改善しています。

コンテンツマーケティングを充実することで、発信するメッセージはターゲティングしたオーディエンスにとって素直に受け入れられるようになり、結果として高品質になります。そして、検索エンジンはすぐにその変化を認識します。

・コンテンツは検索アルゴリズムの変化に簡単に影響されない

近年、Googleは一貫して、低品質コンテンツを公開したりスパム的戦略を使用してトラフィックを誘導したりするサイトを狙ってペナルティを課しています。SEOの専門家がダークサイドで考案した新しい戦略を、すばやく発見して処理してきました。考案された新しい戦略のほとんどは実施や複製が簡単です。そして、多くの専門家が新しい戦略を使用してきました。

一方でコンテンツは、ある程度の投資と努力が必要なので複製は簡単ではありません。さらに、ユーザーに素直に受入れられるので、Googleはすぐにターゲティングするでしょう。しかし、コンテンツとSEOが対等になるには、見落とせない区別がまだいくつか残っています。

コンテンツとSEOは今後も異なり続ける

コンテンツマーケティングとSEOがどのように異なるかを理解し、両方を活用することが重要です。以下に重要な区別をいくつか紹介します。

SEOはより技術的

検索エンジンは今後もアルゴリズムによって方向付けられるので、SEOの専門家たちが技術的詳細を把握して追いかけていくことが重要です。しかし、SEOはコンテンツに収束されるので、オンページとオフページ両方の最適化に関する技術的要件に詳しくなることがSEO専門家だけでなく、コンテンツマーケティングにも必要です。

コンテンツより自然で総体的

一方で、コンテンツマーケティングを成功させるには、検索エンジンだけでなくユーザーにも影響がある取り組みであることを理解する必要があります。コンテンツマーケティングは各コンテンツがカスタマージャーニーのどこにあたるのか、そして果たす目的は何かの認識も必要です。

どちらか一方だけでは実行できない

純粋なSEO/コンテンツの専門家を見つけるのが難しくなるでしょう。現在、SEOを実施する人で、コンテンツマーケティングを否定する人はほとんどいません。逆もまたしかりです。しかし、SEOとコンテンツが融合するという証拠はありません。

コンテンツを役立たせる方法

以上のことは、コンテンツマーケティングとSEO専門家に何を表しているのでしょうか? 最後に、SEOとマーケティングの新しい手法を活用する実践的なアドバイスをします。

SEOとSNSはコンテンツマーケティングのすべて

マーケティング戦略の一環としてコンテンツを作成するとき、ユーザーと検索エンジンの両方に気を配らなければなりません。難しく聞こえるかもしれませんが、これまで述べてきたように、検索アルゴリズムは人間の行動をまねするのがうまくなっているので、コンテンツの何がオーディエンスに好まれるかを確認します。そうすれば、検索結果ランキングにも効果が現れます。

検索の最適化とSNSを通じたコンテンツ拡散の仕組みをよく理解してください。実際、オーガニック検索はすでにほとんどのWebサイトでトラフィックの主要ソースの1つになっていますが、SNSも同様にますます重要な存在になっています。今後この2つがコンテンツマーケティングを支配するでしょう。

最大の利益は1つのコンテンツから

コンテンツマーケティングではコンテンツの掲載頻度と長さに関して激しい議論がされています。一般的に、コンテンツが長く(コンテンツには関連性が必要)、掲載頻度が高いほど、成功の確率は高まります。

しかし、Seth Godinの短い300文字の投稿や、ブログ総投稿数50件のBacklinkoのBrian Deanのように(両者ともSEOのバイブルのような存在)、このルールを破って非常に大きな成功を収めたコンテンツマーケティングの例も確認してください。

量と長さを妥協しなければならない場合、私はいつもオーディエンスにとってもっとも有用なものの選択をお勧めしています。 通常オーディエンスが問題を解消するために役立つ高品質のコンテンツ作成に集中することです。

コンテンツ監査を実施する

サイトをある程度長く運営している場合、コンテンツ監査を実施するメリットは確実にあります。SEOに足りない要素を発見するだけではなく、コンテンツ戦略のガイドにも役立つからです。コンテンツ監査によって、ビジネスに効果的なコンテンツはどれか、どのトピックとキーワードを追求する必要があるかなどが分かります。

結論

デジタルマーケティングは常に進化しています。変化の善し悪しをいくら議論したところで、進化は今後も続くのです。最善のチャンスは、目の前に現れる変化を利用して、その環境で成功する方法を学ぶことです。

(原文:Why Content is the New SEO

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