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これなら勝てる!SEOキーワードリサーチ完全攻略ガイド 2016年版

2016年09月04日 23時00分更新

文●Greg Snow-Wasserman

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SEOでまず重要なのがキーワードの選定。狙うべきキーワードを調べて決定するまでの3つの基本的なステップを解説します。ベーシックな内容なのでブックマークをオススメ。

GoogleやBingなどの検索エンジンで順位を上げるために、Webサイトを最適化する最終的な目的は、サイトの訪問者を増やすことです。オーガニックであれPPCであれ、デジタルマーケティングキャンペーンの基礎はキーワードです。どれだけ検索エンジンがアルゴリズムをアップデートしようと、正しいキーワードを見つける必要性は変わらず残されたままです。そしてその正しいキーワードを見つけるために キーワードリサーチの必要があるのです。

キーワードリサーチとはなにか? それはWebサイトの検索に実際に使われている キーワードを探し、検索結果に上位表示できるターゲットキーワードのリストを作るための取り組みです。キーワードリサーチの基本は次の3つです。

  • 発見(Discovery)
  • 選定(Refine)
  • 競合のリサーチ(Competitor Research)

今回の記事では、キーワードリサーチの3つの基本について、それぞれに必要な対策を交えながら解説していきます。 またキーワードリサーチに関して役立つノウハウやkeyword research toolsも途中で紹介します。

キーワードの発見

シードキーワードリスト

キーワードリサーチの取り組みで最初にすることは、Webサイトに関連した広く、一般的なキーワードをリストアップすることです。最終的にWebサイトがターゲットとしたいキーワードである必要はありません。「なにについてのWebサイトなのか」という質問の答えになるキーワードを考えます。

自分や会社のブログのキーワードリサーチに取り組んでいる場合、頻繁に投稿する題材や話題がキーワードになります。商用ページのSEOであれば、buyer profilesを考えます。ターゲットユーザーがより求めているのはどのようなトピックなのか、 ユーザーがいまどのようにWebサイトを見つけているのか、どのキーワードがもっともコンバージョンにつながっているのか、Google アナリティクスとGoogleサーチコンソールでチェックしてください。

Google Search Console search analytics

たとえば、デジタルマーケターや中小企業をターゲットとしたSEOツールに関するビジネスをしている場合、トピックになるのは「デジタル マーケティング ツール」「リードジェネレーション」「SEO監査ツール」「SEO 攻略」「キーワード トラッキング」などです。またサイトにカテゴリーがいくつかある場合は、カテゴリーがそれぞれキーワードトピックとして考えられます。

リストを拡大する

トピックをリストアップできたら(たいていは5〜10個)、次はそれぞれのキーワードをリストアップしていきます。「それぞれのキーワード」とは、もし誰かが自分のWebサイトを検索するとしたら、実際に使うだろうと考えられるキーワードのことです。ポイントは、ありとあらゆるすべての可能性を考慮するのではなく、このあとに実施するリサーチ の手がかりを得ることです。たとえば、SEO会社の場合「SEO 監査」というトピックに対するキーワードは次のものが考えられます。

  • SEO Webサイト チェッカー
  • SEP Webサイト 監査 ツール
  • ベスト SEO Webサイト 評判 ツール
  • 無料 Webサイト SEO チェッカー
  • SEO レポート
  • Webサイト 評価
  • テクニック 監査
  • SEO チェックリスト

キーワードリストの拡大に使えるツールはたくさんあります。GoogleとBingのどちらにもキーワードリサーチツールがあります。GoogleはGoogle AdWords キーワード プランナー、Bingはweb マスター ツール内にキーワードリサーチツールがあります。どちらも厳密にはPPCのキーワードリサーチ用ツールですが、SEOにもとても役立ちます。キーワード プランナーの広告グループの候補を使って関連キーワードのリストを手に入れましょう。

Google AdWords Keyword Planner

キーワードプランナーを使うには無料のGoogle AdWordsアカウントを作成する必要があります。Bingのキーワードリサーチは、アカウントにログインした状態でweb マスター ツールからアクセスできます。

Googleサジェストはターゲットキーワードの候補を得られる素晴らしい機能です。幸いにもGoogleのキーワード候補が取得できるツールがあるので、すべてのキーワード候補を1つ1つ手作業で確認する必要はありません。Ubersuggestは、入力したキーワードをもとに、Googleサジェストが表示する候補一覧を取得できます。Ubersuggestから得たのキーワード候補一覧を使えば、キーワードリストをさらに拡大できます。一覧はあとで使えるようCSVファイルでダウンロードします。

Ubersuggest

Mergewordsも便利な無料ツールです。UbersuggestのようにGoogleからのデータを使うわけではありませんが、キーワードリストをすぐに生成したいときにとても便利です 。Mergewordsはキーワードのあらゆる組み合わせを生成します。たとえば「SEO Webサイト 監査」「ベスト SEO監査 ツール」「無料 Webサイト 評価」のような3つのキーワードの場合、 Mergewordは各用語を36通りに組み立て直し、まとめてくれます。 結果を選択し、エクセルシートにコピー&ペーストしてください。

Mergewords example

上の例では「SEO seo 監査」や「SEO seo 監査 ツール」のような使えないキーワードを取り除く必要があるので、必ず結果一覧はチェックしてください。

リストを選定する

さて、これまでターゲットにしたいキーワードのリストアップに時間と手間をかけてきましたが、ここからはリストのサイズを絞っていきます 。そのためには、そのキーワードがどれくらいのトラフィックを出せるか、検索の上位表示が簡単か(または難しいか)、 その検索クエリでユーザーがなにを探そうとしているのかを見極める必要があります。

もし余分に費やせる時間と予算があれば、 アドワーズキャンペーンを小さい規模で展開するとキーワードの評価を確認できます。アドワーズでは、キーワードの「完全一致」使い、ユーザーをキーワードに関連するランディングページにアクセスさせます。キャンペーンは数百クリック発生するまで展開します。ビジター数でそのビジターが生んだ収益を割ると、キーワードがもたらしたビジター1人あたりの価値を金額で表せます。

たとえば、キーワード「無料 Webサイト SEO チェッカー」から2000ドルの収益を生んだ新規ビジターが200人、キーワード「SEO Webサイト 監査 ツール」からの広告クリックで2400ドルの収益を生んだ新規ビジターが275人だとすると、1つめのキーワードは1人あたり10ドルの価値があり、2つめのキーワードは8.72ドルの価値があるということになります。

検索ボリューム

あるキーワードのためにサイトを最適化しても、誰もそのキーワードで検索をしていなかったら意味がありません。幸いにもリストアップした大量のキーワードの中で、効果を出せる十分なトラフィック持つキーワードがどれかチェックする簡単な方法があります。

Google AdWords キーワード プランナーとBingのキーワードリサーチツールでは、それぞれの検索エンジンでの月平均検索ボリュームを見られます。

Keyword Planner search volume

有料版WooRankの会員であれば、検索ボリュームの調査にもSERP(検索結果画面)チェッカーを使えます。すでにSERPチェッカーでキーワードを調べたことがあれば、データを更新したときに検索ボリュームが自動的に追加されます。もしまだこのツールを使ったことない場合は、キーワードを追加すれば、SERPチェッカーが24時間以内にデータを表示し始めます。

WooRank SERP Checker

キーワードがどれくらいの人気があるか、どのように関心が推移しているかを見るためには、Google トレンドを使います。調査対象期間を変えることで、人気度の長期的な動向だけでなく、短い期間での急上昇に関しても活用できます。複数の語句を入力できるので、ユーザーに見られるWebサイトにするにはどのキーワードが一番か判断できます。

Google Trends interest over time comparison

:時間グラフ上の人気度数は、実際の検索数ではありません。指定の期間や地域でもっとも人気の高い期間と比較した相対的な人気度を表しています。

競争力/難易度

全体の検索ボリュームだけを考慮すればいいわけではありません。「SEO」のような検索語句は月間検索数が何十万(実際には11万) にもなりますが、このようなビッグワードで上位表示させるのは大手企業でもないかぎりはほとんど不可能です。「SEO 解析」のようなキーワードでは推計ボリュームはだいぶ少なくなり、上位表示させるのはより簡単になります。また「無料 Webサイト SEO チェッカー」などはより簡単です。

最後のキーワードは「ロングテール」と呼ばれるキーワードです。ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないですが(おそらくひと月に数十回)、全体で考えるとGoogleの全検索70%を占めています。ロングテールキーワードの素晴らしい点は、上位表示しやすく、またコンバージョン率が高い傾向にあることです。

キーワードの競争力/難易度を確認するため、Google AdWords キーワード プランナーとBing web マスター ツールをもう一度使います。キーワードプランナーはCPCデータを使うので、オーガニック検索の指標とは直接結びつかないですが、十分近い数値を得られます(そして無料です)。Bingのキーワードリサーチは厳密にオーガニック検索データです。

キーワードプランナーでキーワードをリサーチする際、「競合性」と「推定入札価格」の項目を見てください。競合性はごく単純に、そのキーワードで入札されている広告がいくつあるのかを示しています。推定入札価格は、ほかの広告主の現在のCPCをもとに、広告を表示させるのに必要な入札価格を表しています。CPCキャンペーンにとって競合性の高いキーワードは、オーガニック検索でも同じように競合性が高くなっているのが普通です。 ほかの広告主の入札から逃げ切れるだけのお金がない限り、広告主はそのようなキーワードをターゲットにしません。

検索意図

キーワードの検索意図を見極めることは、どのキーワードをターゲットとするかを決定するのに重要です。eコマースサイトであれば、ビジターが商品を購入する気持ちがあるかを確認したいですし、一方ブログではコンバージョンファネルの第1フェーズのユーザーをターゲットとする可能性が高くなります。検索意図に関して、キーワードは4つの基本タイプに分類されます。

  • 情報収集型キーワード:コンバージョンファネルでは第1フェーズに位置し、すぐにコンバージョンに結びつくことはないと思われるユーザーが使うキーワードです。しかし、Google検索の大多数を占めているので無視はできません。情報収集型キーワードには「〜の方法」「〜に必要」「〜がある場所」などの単語やフレーズが含まれています。ブログやメールマーケティングを通してコンバージョンに導ける可能性がある検索ユーザーとみなします
  • プロダクトキーワード:購入プロセスは少し進んでいますが、まだ最後の購入段階ではないと思われるユーザーが使うキーワードです。すでになんらかの商品を欲しいと思っているか、なにかを買うことは決めていますが、どの商品にするかはまだ決まってません。たいていの場合、「口コミ」「トップ10」「比較」「安い」または特定のブランド名、商品名や商品カテゴリー名がキーワードに含まれています
    :キーワードの中に「安い」という語句を使うとスパムのように感じるかもしれませんが、心配する必要はありません。実はコンバージョンに結びつく傾向が高いのです
  • インマーケテイングキーワード:商品の購入を前向きに検討していると思われるユーザーが使うキーワードです。そして購入したい商品ページに検索結果からダイレクトにアクセスできることを期待しています(もしかするとそのときすでにクレジットカードを用意しているかもしれません)。たいていの場合「申し込み」「配送無料」「割引」「購入」などがキーワードに含まれています
  • フリーミアムキーワード:近いうちにはコンバートしないと思われるユーザーが使うキーワードです。ほとんどの場合、ユーザーは無料のツールやデジタル商品をタダで手に入れる方法を探しています。フリーミアムモデルやアクセス量を収益化する方法がないのであれば、このようなキーワードをターゲットにするのは避けましょう

購入プロセスの各段階における見込み客の獲得や、コンバージョンプロセスに見込み客を誘導する戦略としては、それぞれのタイプを複合させたキーワードをお勧めします。

リスト化したキーワードの検索ボリューム、競争力や意図が分かったら、少しずつキーワードを減らし始めます。十分な検索ボリュームがない、競合性が高すぎてターゲティングに値しない、Webサイトのタイプと意図があってない、こういったキーワードを省きます。キーワードリストの理想的な量はありません。サイトによって異なるのです。言うまでもなく、大きくて複雑なサイトは小さくてシンプルなサイトよりもたくさんのターゲットキーワードがあります。重要なのは、正しいターゲットキーワードを得ることです。

競合サイトのリサーチ

Webサイトの評価を十分に上げ、トラフィックを増やし、購買意欲の高いユーザーを引き付けるようなキーワードを選定できたら、次は競合サイトについて把握します。競合サイトが使っているすべてのキーワードをターゲットにする必要はありませんが(少しオーディエンスが違うかもしれないので)、競合サイトのどのキーワードが上位表示されているのか、そしてどうやってそれらのキーワードをターゲットしているのかを知ることは役に立ちます。

KeywordSpyは無料の競合リサーチツールでとても便利です。キーワードまたはドメインのどちらかでリサーチでき、競合サイトがどのような取り組みをしているかだけではなく、自分がキーワードを上位表示させる際の難度をとてもよく把握できます。キーワードリサーチをするときは、ターゲットキーワードを入力し、Organic Competitionタブでオーガニック検索トップ10キーワードを確認できます。

SpyFuもまた無料の競合リサーチツールで、2通りの使い道があります。1つめはリサーチしたい競合サイトのドメインを入力します。競合サイトのどのようなキーワードが上位表示されているかを知るためには、左側のRanking Historyをクリックします。サイトのトップキーワードとそれらがどのように上位表示されているのかを確認できます。自分のドメインを入力すると、 どのサイトと順位を争っているのか、どのキーワードと競っているのか、どのキーワードが負けそうなのかなどの情報を得られます。

2つめはキーワードを入力して、上位表示の難度(1〜100)と順位履歴を見ることです。キーワードに対してページをどのように最適化しているのか確認するために、検索結果の上位にあるランディングページをチェックしましょう。注目するのはタイトルタグやページコンテンツです。キーワードはページのどこで、どのように使われているでしょうか?

最後に

残念ながら、キーワードリサーチにはどのようなときでも通用する万能のソリューションはありません。あるWebサイトで一番うまくいくキーワードが、同じ分野の別サイトでは望ましいリストではないかもしれません。だからこそ始めにキーワードリサーチをする必要があるのです。重要なのは、ターゲットオーディエンスがコンバージョンファネルの各フェーズでWebサイト検索に使っているキーワードを含む、強固なキーワードリストを作れているかということです。

ほかのSEOがそうであるように、キーワードリサーチは継続的なプロセスです。あるマーケターは四半期ごとにリサーチを更新し、またある人はもっと頻繁です。しかし、変更してからその効果が出るまでしばらく時間がかかるので、それほど頻繁に更新する必要はありません。常に新しいキーワードをターゲットにすることで、せっかくの努力が台無しになってしまうからです。

※本記事はWooRankのSEOシリーズの1つです。SitePointでの記事公開に協力してくれたパートナーへのサポートに感謝します。

(原文:Your Guide to Keyword Research for SEO

[翻訳:May Hasan/編集:Livit

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