年商10億円のWeb制作会社社長が「業界の破壊」に取り組む理由

2017/02/01

Aleczander Gamboa

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オーストラリアのスタートアップ、Foxleyは世界的にはまだ無名の小さな企業ですが、Web制作業界を変えるプラットフォームの開発に取り組んでいます。Webデザイナーとして年商900万ドル(約10億円)の制作会社を育てたBiancaが起業した理由とは?

クライアントのWebデザイナーへの要求は増えています。マーケティングやSEO(検索エンジン最適化)からモバイル最適化に至るまで、クライアントはカスタマーにとってのROI(投資利益率)を求めるようになってきているのです。しかし、WebデザイナーはROIについての基礎的な訓練すら受けていないので、その要求に応えられません。

結果として、クライアントとデザイナーの関係が悪化するだけではなく、まともにROIを稼げるプロダクトを作ることさえできなくなってしまうのです。

言い換えれば、大変な時間の無駄ということです。

こうした両者の葛藤に目をつけたのが、起業家のBianca Board氏です。彼女は、マーケティングとSEOの知識を取り入れ、結果につなげられるWebサイトを直感的に作成できるユニークなプラットフォーム「Foxley」を考え出したのです。

現在のWebデザイン業界でデザイナーがWebサイトを制作したときに得られる利益は、わずか5.5%にしかなりません。Board氏はこれを「悲観すべき状況」だと話します。

Webサイト制作に費やす仕事量を考えると、安すぎます。オーストラリアでさえ、1時間に5ドルしか稼げないデザイナーがいます。正しく機能するWebサイトを作るために膨大な時間をかけているからです。技術そのものは非常に進歩しているのに、Webデザインは成長していないのだと思います。

Board氏はWebデザイン会社Web123を小さく立ち上げ、いまでは900百万ドルを稼ぐ企業に育てましたが、Foxleyはその業界を破壊しようとしています。Foxleyは、Webサイトをびっくりするほどすばやく立ち上げるだけではなく、マーケティング戦略の組み込み、テクニカルサポートや販売指導も充実している、Webデザイナーの味方となるプラットフォームです。

SEOやマーケティングのサービスをWebサイトに導入できますが、企業は導入方法が分からず、デザイナーはSEOやマーケティングとデザインをどのように結びつければ良いのか分からないという状況を、Web123ではよく目にするようになりました。私たちは『ビジネスやデザインに関係する要素をすべて備え、学習を補助し、しかも結果に直結するようなプラットフォームがあると、おもしろいのではないか』と考えるようになったのです。

そのような背景から考え出されたFoxleyのモデルには、2つのカテゴリー「Foxley Business」と「Foxley Site Builder」(2017年6月頃にローンチ予定)があります。Foxley Businessは、デザイナーがアプリを通じて30秒または60秒でできる短い作業によって、Webデザインの成功を加速させるプラットフォームです。

一方、Foxley Site Builderは「道具箱の中のハンマー」にたとえられます。具体的には、コードは書かずにドラッグアンドドロップだけで、トラフィックを得られる効果的なWebサイトを作れるWebサイトビルダーです。もっともすばらしいのは、マーケティングSEOのスコアカードシステムです。各ページにスコアがあり、Webサイトの効果が上がれば上がるほど高くなるようになっています。楽しくて直感的、またデザイナーとクライアントの関係改善にも役立ちます。これらは、企業ベースに移行しつつあったWebデザイン業界に欠けていた点でした。

Foxley is a business that combines marketing and SEO smarts with intuitive web design. Photo: Foxley

Foxleyは、マーケティングとSEOの知識、そして直感的なWebデザインという概念を組み合わせることに成功した(画像提供:Foxley)

Board氏のチームは3カ月かけ、Foxleyの5カ年計画を練りました。Tauro Capital Partnersとパートナーシップを結び、資金提供やリーダーシップ・チームの派遣も依頼しました。そのときアドバイスされたのが「いままでのプロジェクトを振り返って評価すること」でした。最初はしぶしぶだったものの、振り返ってプロジェクトを評価をしたことは、会社全体に利益をもたらしたと信じているようです。

「早く始めたい」という思いでいっぱいでしたが、立ち止まって自分たちの立ち位置を評価できたことは本当に良かったと思います。事業全体を振り返りましたが、辛かった時期に起こったトラブルなどを考えると、正しい判断をしたのだと思えます。

「辛かった時期に起こったトラブル」の1つが投資家たちの説得でした。FoxleyはWordPressやSquarespaceなど、大手Webサイトプラットフォームを乗っ取ろうとしているわけではない、と伝えなければならなかったのです。ミーティングを重ねるうち、Web業界に革命を起こしたいという情熱が投資家たちにも伝わるようになりました。

投資家たちを説得することはアメリカ映画のように華々しくはいきませんでした。実際、自分たちが何者かを説明するしかなく、しかもずっと繰り返す必要がありました。そのうえ、呼ばれたらすぐに出向かなければなりません。誰かが「会いたい」と言ってきたら、山を動かしてでもその人に会いに行かなくてはならないのです。

Foxleyはいまのところ軌道に乗ったと言えそうです。シード投資の先行状態で70万ドルを手に入れ、まだ比較的新しいベンチャーであるのにも関わらず、売上のない状態での評価は800万ドルに達しました。

Board氏の成功を裏付けた大きな要素としては、プロダクトのローンチ前に貢献度が高いコミュニティ「Foxley Rockstar」を築き上げたことです。Foxley Rockstarsは、キャリアアップのためにWeb業界についてもっとよく知りたいデザイナーやビジネスオーナーが、いろいろな分野から参加しているオンラインコミュニティです。このコミュニティのおかげで、ユーザーはFoxleyが公式発表されてからすぐに活用できたのです。

なにも準備できていない状態でしたが、ユーザーと一緒にプロダクト開発を進めたことで、ユーザーにもオーナーシップがあるのだと感じてもらえました。私たちはデザイナーやビジネスオーナーのためにプロダクトを作り、ユーザーも私たちのプロダクトを評価してくれるので、結果的にユーザーもチームの一員としての気分を味わってもらえるのです。

Board氏は成功した起業家になるためのこれらの経験を通じて、起業家に対して、直感を信じること、自分の勇気に耳を傾けること、そして「実践しながら学ぶこと」とアドバイスしてくれました。

自信は成功の鍵です。プロダクトに自信を持って、ユーザーを信頼し、自分のプロダクトには適切なユーザーを引きつける力があると信じてください。

Board氏から、新興企業家へのトップアドバイス

投資家からの信頼は本当に心強い存在です。チームで働くとき、障害に見舞われたとき、行き詰まったとき、らちがあかなくなったときでも自分を信じてください。結局、働き続けながら、周りの人たちを信じることが大事なのです。

Foxleyについてもっと知るにはこちらから。

Bianca Board says confidence is key when it comes to approaching investors. Photo: Foxley

「投資家と交渉するときの鍵は自信」と語るBoard氏(写真提供:Foxley)

※新シリーズ「Startup Spotlight」は、Web業界の革命的存在として活躍中の起業家や、新興のスタートアップ事業について取り上げていきます。

(原文:“Learn by Doing” – How Foxley Disrupted the Web Design Industry

[翻訳:加藤由佳/編集:Livit

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Aleczander Gamboa

ライティングや編集、メディアなど広い分野で活躍するフリーランスワーカーです。ライフスタイルやアートの分野をこよなく愛していますが、Web開発やテクノロジーの研究もしています。また、大好きなリアリティーショーについてもたくさんつぶやいています。作品はここからチェックしてください。

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