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意外と知らない、広告効果を正しく測定するための3つのポイント

2017年09月26日 13時53分更新

文●D2Cスマイル

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広告の効果を計測する方法が間違っていると、目標達成のアプローチも間違えてしまいます。意外とできていない設定方法を3つ紹介します。

突然ですが、広告の評価指標をどう管理していますか。

大半は日々、CV数やCPAをKPIをベースに追いつつも、月次や四半期といった、KGIに対する進捗を見ていると思います。

CPAだけの評価ではなく、ROASや継続率など、より深い指標で広告を評価するケースが増えています。

これらの指標を正しく評価するために重要な「正しく計測する仕組み」が疎かになっているケースが少なくありません。

KGI/KPIを詳細に設定しても、計測の座組みが機能していなければ、正しい数値を計測できないだけでなく、目標を達成するためのアプローチの方法が大きく変わっしまうのです。

今回は、広告を正しく評価するための設定を3つ紹介します。

意外と知らないポイント:その1「成果地点の設定」

まずは広告主の成果地点をどこにするかを決めます。業種や業態によって多岐に渡りますが、成果地点は下記3点で分類できます。

1.成果地点の環境
⇒自社のプラットフォーム、第3者のプラットフォーム、リアル店舗誘導/電話

2.費用が発生しない成果地点
⇒資料請求、無料会員登録、サンプル申込

3.費用が発生する成果地点
⇒商品購入、月額有料会員登録、サンプル購入

成果地点によりプロモーションの方法も変わります。獲得を最大化をするためにはリターゲティングの活用が欠かせません。
しかし、上記1.2.3のどれを成果地点に選ぶかによってリターゲティングの活用方法が大きく異なります。

たとえば1.「成果地点の環境」の「第3者プラットフォームが成果地点」は、タグが埋められないため、リターゲティングができません。

2.の「費用が発生しない成果地点」は、直近でサービスに訪れたユーザーに対して入札強化をするリターゲティングが効果的です。ユーザーが成果地点に到達するまでのハードルが低いので、サービスに訪れた期間が近い程、CVRが高い傾向にあります。

3.の「費用が発生する成果地点」では、ユーザー側でコストが発生するため、すぐに成果地点に到達するアクションに至りません。結果、比較検討が発生しCVまで一定期間が発生しますが、リターゲティングで設定するリーセンシー(期間)の設定を長くしても、一定以上のCVRが見込めます。

このように、リターゲティング一つとっても成果地点により広告運用が変わります。KPIに応じて、どうプロモーションするかだけでなく、どの程度CVを正確に計測できるかまで異なるので、成果地点の設定は、正しく広告評価をするために非常に重要です。

意外と知らないポイント:その2「CV測定方法」

成果地点が決まったら、成果地点を計測するためのCV設定をします。

媒体が発行するCVタグを活用する

大型広告プラットフォームを利用する場合は、広告計測するためのCVタグを媒体が用意しています。媒体が発行しているCVタグは、コストもかかりません。

ただし、それぞれの媒体で重複CVが発生するため、実績値との乖離が発生するケースがあります。

2媒体の広告に触れた後にCVすると、それぞれの媒体タグでCVを計上するため乖離する

ユーザーが1CVしたにも関わらず、CVするまでに各媒体の広告に接触すると、合計2件のCVが発生してしまいます。

複数媒体を使わない場合は、媒体CVタグをそのまま活用しても問題ありませんが、現実的ではないでしょう。出稿媒体が多く、金額が大きいほど、乖離も大きくなるため、下記の計測方法がオススメです。

広告効果測定ツール活用

媒体間の重複を除くために必要となってくるのが、広告効果測定ツールです。
各媒体の広告の効果を一元管理できるだけでなく、第三者的立場で測定や広告を評価できます。

媒体横断で成果を計測しているため、どの媒体でCVに至ったかを判断することが可能です。

Webプロモーションでよく使われる広告測定ツール例

  • WebAntenna / ビービット
  • アドエビス / ロックオン
  • ADPLAN / オプト
  • CAMP / サイバーエージェント

GoogleAdwordsやAppleSearchAdshaを除き、アプリプロモーションでは広告効果測定SDKの導入が必須です。日本国内では代理店がツールベンダーとして効果測定SDKを持っているのが特徴ですね。

アプリプロモーションの広告効果測定SDK例

  • adjust / ADJUST
  • PartyTrack / Adways
  • AppsFlyer / APPSFLYER
  • F.O.X / Cyber Z

成果地点がApp StoreやGoogle Playなどの外部のプラットフォームなので用意したタグを埋めることが出来ず、SDKが必要になります。

またStoreで遷移が途切れるため、CookieではなくIDFAやGAIDを活用して計測をする(一部FingerPrint等)ケースが多いですね。

意外と知らないポイント:その3「CV有効期間設定」

最後は「CV有効期間設定」です。

CV有効期間とは、CV有効期間をラストクリック(もしくはビュー)から設定した期間内にユーザーがCVすれば、媒体の成果としてCVを計上する期間のことです。

各広告媒体によって、デフォルトで設定しているCV有効期間が異なります。

CV有効期間の例

  • Facebook :ラストクリックから28日間
  • Twitter :ラストクリックから14日間

デフォルトの設定で配信すると、クリック後のCV有効期間が長く、発生するCV数が増えるため、Facebookの広告評価が高くなります。媒体のモノサシを整えることで、媒体を公平に評価することができます。

これは媒体だけでなく、広告効果測定SDKでも同様です。

たとえば、ビュースルーコンバージョンで設定されている有効期間が海外系のSDK(Adjust/AppsFlyer等)は24時間ですが、国内代理店系のSDKは28日間や30日間と、大きな差があります。

設定の変更は可能ですが、各媒体及び効果測定ツールまで気が回っていないケースがよく見られます。
また、直近のiOS11へのアップデートによって、cookieの有効範囲が狭まり、3rdPartyのCookieの有効期間が1日になります。結果、リタゲ出来るユーザー減少やCV有効期間の短縮によるCV減少が予測されます。
この動きによりCV有効期間を見直す必要があります。

プロモーション設計に関わる部分から、ツールのちょっとした設定まで、意外と知られていない広告運用の精度を上げるポイントを紹介しました。

描いた目標に対する進捗を把握するだけでなく、日々の運用を精度高くするためにも、怠らずにしっかり設定しましょう。

(記事提供:D2Cスマイル

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