集客ばかりやっているアプリマーケターに伝えたい、たった1つのこと

2017/09/12

D2Cスマイル

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世界46カ国、3800以上のアプリに導入されているアプリの成長支援ツールで注目を集めるRepro 執行役員 楠目亮さんにインタビューしました。

国内スマホゲーム市場が成熟期に入っている昨今、アプリインストール後のアプリ内でいかに既存の顧客の維持・囲い込み・活用するかの「リテンション」が重要視されます。

そこで、アプリの分析からプッシュ通知やポップアップといったマーケティング機能を用いてアプリのグロースハックができるツール「Repro」を手掛けるReproの楠目亮さんに、アプリ内マーケティングの重要性を詳しく伺います。

(左から)株式会社Repro 執行役員 楠目亮氏 株式会社D2C R 営業本部 ゲーム営業部 伊藤大悟

プロモーション担当とアプリ制作担当の間で抜け落ちる「定着」のための施策

D2C R 伊藤さん(以降 伊藤):D2C Rの伊藤です。普段は広告代理店の営業という立場から、お客様のアプリマーケティングのお手伝いをしています。業界は主にゲームのお客様が多いですね。

Repro ゲームの統括責任者 楠目さん(以降 楠目):私は、主に、アプリのグロースハックにかかる新規領域の開拓を担っていて、現在は、特にまだ浸透していないゲーム業界に向けたアプリ『内』マーケティングのコンサルタント兼エヴァンジェリストという立ち位置ですかね。

伊藤:今回のテーマはゲームアプリのマーケティングですが、主に「集客と定着」についてお伺いします。

楠目:はい。私はアプリのマーケティングの中でも特に、アプリ「内」マーケティングの領域を見ているのですが、多くの事業者様で大きく抜けてしまいがちな部分があると思っています。


アプリをユーザーにインストールしてもらう最初のフェーズ「流入」と、面白いゲームを提供して課金につなげる刈取りのフェーズ「課金・継続課金/重課金」、この2つのフェーズの間にあり、ユーザーを定着させる「定着・利用(促進)」ですね。プロモーションを担うマーケターとゲーム作りを担うプロデューサー・ディレクターの体制でアプリを運用しているときには、担当領域の間の部分になり、そういった意味でも「ユーザーの定着」が抜け落ちてしまうのかもしれません。

伊藤:確かにそういうケースはあるかもしれませんね。「ユーザー獲得」のKPIの次は、いきなり課金や売上をみてしまったり……。

楠目:ユーザーがアプリをインストールした直後、定着のためにできることはいろいろあります。たとえばチュートリアルから始まる遊び始めがそうですよね。初めてデッキを組む、装備を考える、クエストをクリアする、ステージをいくつか突破するなど、複数の小さなハードルをユーザーが一つずつ超えることで、定着につながります

伊藤:そうですね。私もゲームアプリをプレイしますが、そういったステップをうまく進んでいけると、ゲームにどっぷりハマって気づくと課金しているケースが多いです。逆に、そのステップでつまづくと急にやる気がなくなり、以降アプリを開かずにアンインストールすることもあります。

楠目:そうなんです。だからこそ、ユーザーの定着につながるステップを設定し、小さなハードルを超えてもらうために、それぞれのステップで、ユーザーに適切なコミュニケーションをとるアプリ「内」マーケティングはとても重要なのです。アプリ内のマーケティングは、獲得したユーザーを「育てる」取り組みですね。

伊藤:一昔前は広告代理店の立場だと集客の部分を重視しがちで、アプリ内のマーケティング領域は入り込みにくかったんですよね。ただ、最近は、いま遊んでいるユーザーをキープしたり、アプリから離れてしまったユーザーを呼び戻したりする「リテンション広告」施策がトレンドなので、広告代理店もそういった領域に踏み込んでいくべきだと強く感じます。

楠目:そうですね。アプリにおいて「集客」だけを意識していては不十分で、「定着」も一緒に考える必要があります。せっかく低いCPIで獲得しても「定着」をおろそかにすると穴の開いたバケツに水をくむようなものです。ROASを見るとうまくいっているとは言えない状況のアプリは少なくありません。せっかく、コストをかけているのに、とてももったいないなぁ、と感じています。

伊藤:とくにゲームアプリの近年のトレンドは、IP系のタイトルやコンシューマーの会社からたくさんリリースがあるので、CPIも徐々に上がっている実感があります。市場トレンドとしても新規獲得がしにくくなる以上、「定着」や「呼び戻し」の施策はより重要になってくるでしょうね。

楠目:寝たユーザーを起こすのは大変なので、寝かさないことが重要と考えています。ここからは「定着」の視点から効果を上げたゲームアプリの事例をいくつか紹介します。

ユーザー定着のカギとなる正しいプッシュ通知の活用方法とは

楠目:まずはゲームにおける、寝かさないための施策「お気に入りキャラを活用したプッシュ通知」を紹介します。やはり、自分の「お気に入り」には、心を惹かれますよね(笑)。

伊藤:なるほど、ユーザーが持っているキャラクターのデータを活用してプッシュ通知を送るのでしょうか?

楠目:はい、そうです。たとえば、恋愛ゲームでイケメン風なキャラが好きな方や、草食系なキャラが好きな方、と好みはいろいろですよね。具体的には、ユーザーのお気に入りキャラの口調や画像でプッシュ通知を送ります。結果、開封率がなんと1.3倍になった事例もあります。
お気に入りキャラ以外では、デッキ(の左上のキャラ)も良いですし、ナビキャラや敵キャラでも構いません。近年のトレンドでIP系が増えていることもあり、とても有効です。

伊藤:たしかに、無味乾燥なプッシュ通知と比較するとかなり効果が変わりそうですね。

楠目:上の事例はほんの一例で、マーケティングシナリオを組んだ上で、セグメント別にプッシュ通知を配信することで、7日後のリテンションレートが数%改善するケースが多いです。もちろんアプリによりますが。

伊藤:やはりユーザーをセグメントで分けて、別々のアプローチをすることが重要なんですね。

楠目:また、イベントの参加を促し、ユーザー定着を促す施策もアプリ内のマーケティングで取り組めます。

たとえば、ランキングに応じ報酬を得られるイベントで、ランキングが20,000位のユーザーに、500位以内の報酬を訴求してもシラケますよね。

伊藤:無茶言うなってなりますね(笑)。

楠目:逆に400〜800位のユーザーは燃えると思います。上位に入るためには、当然、プレイ時間増や課金が必要なので、そのあたりを訴求することでPURやARPPUが数%上がる事もあります。
上図のように、ユーザーの状況に合わせた訴求をプッシュ通知やポップアップで送り、イベント参加を促すことで、ユーザーの定着に繋がります。

伊藤:状況に合わせてユーザーの気持ちを想像することが大事になってきますね。

楠目:そうですね。イベントの参加を促すプッシュ通知を送るときに、すべてのユーザーに対して、同じ内容のプッシュ通知を送っているアプリは多いです。しかし、始めたばかりのユーザーには、そもそもどういったイベントなのか、イベントによりどんなメリットがあるのかを理解できない訴求になる場合が少なくありません。ユーザーの定着を考えると、ユーザーの状況に合った訴求が重要です。
今回はプッシュ通知のお話が中心になってしまいましたが、次回にでも、ポップアップの活用方法を是非ご紹介したいところですね(笑)。

伊藤:事例の紹介ありがとうございました。いずれの事例も聞いただけで効果が見込めそうなイメージがあります。これらの施策はすぐできるのでしょうか?

楠目:ユーザーの利用状況に応じて、プッシュ通知やアプリ内メッセージの送信を一元管理できるツールを活用すれば、よりスピーディーにPDCAを実施でき、アプリを成長させることができます。
弊社の例ですが、ゲームアプリだけでなくECや大手企業のアプリにも、管理ツールを導入されている企業が増えています。

開発の知識が無い方でもいろいろ試せるので、エンジニアの手を煩わせることなく、プロモーション担当者が施策の実施から検証まで、スピーディーにPDCAを回せます。

伊藤:アプリのプロモーション担当の領域が更に広がるわけですね(笑)。そうなると、代理店も一緒にお手伝いすることはできそうです。

楠目:大切なのは各アプリにおけるマーケティングシナリオ、すなわち適切なユーザーの成長ステップを設定し、そのステップごとにユーザーと適切なコミュニケーションを取っていくことです。「ユーザーとコミュニケーションをとり、いかに動いてもらうか」の視点で広告代理店の知見が活かせる部分があると思います。

伊藤:弊社でも、ユーザーの「集客」だけで終わるのではなく、その後の「定着」まで視野に入れ、ユーザーを「育てる」施策をお客様と一緒に考えていければと思います。本日はありがとうございました。

(記事提供:D2Cスマイル

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