Facebook広告にお金を使う前に考えたい、ソーシャル活用で大切な1つのこと

2016/09/02

Tomas Šlimas

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ソーシャルで売上をあげろ!と言われたときに、あなたならどうしますか? Facebook広告に出す? Twitterのフォロワーを集める? 3つの事例からわかる、ソーシャル活用でもっとも大切なこととは?

売上実績を直接上げたいなら、ソーシャルメディアはふさわしい手段ではありません。多くの人がFacebookやInstagramをスクロールしながら求めているのは、そのジャンルが娯楽、教育や社会的関心など、ただ刺激的で目新しいコンテンツを見てみたいからです。ユーザーが見たいのは、友人とあれこれ話し合えるようなトピックであって、誰かがAmazonで買おうと思って探している財布についての投稿は必ずしも関心を引くニュースであるとは言えません。

それでも、企業のマーケティングにおいてソーシャルメディアは強力な武器になり得ます。たとえば製品をさりげなく紹介するハウツービデオやプロダクトイメージの動画は、間接的・直接的に影響を与えます。

ここで紹介する例のように、企業とソーシャルメディアで影響力のある人びとがコラボすることによって、さまざまな効果が期待できます。成功事例をいくつか見ていきます。

1. Travel Ticker

新しいホテル予約サービス、Travel Tickerは有名なrooftopper(建築物専門のクライマー)たち(@beerkus、@semenov_id、@d4daevなどのアカウントでInstagram上に公開されています)を起用しています。彼らが真夜中のエッフェル塔を上る動画を公開し、ちょっとした物議をかもしています。

しかし彼らのようなクライマーは階段を使って上るわけではありません。この動画で、クライマーはチャンスがあればすぐに観光用の順路を離れ、独自のルートで塔の鉄骨部分を登り始めます。スリルを増すような音楽、ドローンからの映像や、撮影者視点の映像(POV)、そして優れた編集の絶妙な組み合わせがギュッと詰まった動画を見れば、怖いもの知らずの視聴者でさえも震えあがることでしょう。

Travel Tickerがこのような動画のスポンサーになるメリットとはなんでしょうか? これからまじめに事業を拡大しようとする会社にとって、このように危険かつ極端、そして(若干)未熟ともいえる行動をサポートするのは、すこし認識がズレているという印象を与えるとは思いませんか?

1つ考えられるのは、Travel Tickerが動画をまじめに受け取ってほしくないと思っているかもしれないということです。ホテル予約検索エンジンのもっとも重要な目的とは、おトクなホテルを提供し、限られた予算の中で旅行をしようと考えている若者の強い要望に応えることです。そしてそのような若者は、企業がどれだけ環境に優しいかとか、地元の慈善団体にいくら寄付しているかに興味はありません。むしろ、POV動画などエキサイティングな動画に関心を示します。実際、Travel TickerがYouTubeチャンネルで公開している動画はすべてこのジャンルですが、最初に投稿された動画は公開から1週間もたたない間に40万回も再生されました。

ちなみに、動画に登場するクライマーたちは、Travel Tickerのロゴが入ったTシャツを着ています。

2. GoPro

創業以来、GoProはアクションカメラ市場のトップ企業です。どこでも簡単に使えるので、たとえば日差しあふれる夏のバカンスやエクストリームバイクの様子など、アマチュアのYouTube動画には欠かせない機材です。

GoProはユーザー主体のコンテンツトレンドを維持するためになにに取り組んでいるのでしょうか? GoProはエキサイティングかつ優れたPOV動画を製作するため、エクストリームスポーツ(スキー、マウンテンバイク、カーレースなど)の有力選手のスポンサーになっています。動画には「弊社のカメラではこんなことができます。さあ、あなたもどんな動画が撮れるかぜひ試してください」というメッセージが隠されています。

同社は、動画がもっと話題になるように、そして可能な限り最高のコンテンツを製作するために、Kelly McGarry、Claudio Caluoriといった有名なマウンテンバイク選手や、伝説的なカーレースドライバーであるKen Blockといった、ソーシャルメディアで多くのフォロワーを持っている各界の有名人とコラボしています。

知名度の高いコンテンツクリエイターの多くがエクストリームスポーツの動画撮影にGoProを使っていることもあって、Travel Tickerの動画に出てくるクライマーたちもその中に含まれています。GoProの動画の多くはコンテンツのなかに同社のロゴが入っているので、POV動画の認知度が上がるにつれ、POV動画を見ればGoProを思い浮かべるようになります。

3. Kardashian Beauty

Kim Kardashian

これまでは企業がソーシャルメディアにビッグネームを起用してより多くの注目を集めつつ、ターゲット市場に対するはっきりとしたイメージを構築していく様子を紹介しました。一方で、小悪魔的魅力で有名なKim Kardashian Westのように自分自身がビジネスの顔になることもあります。

Kimはソーシャルメディアでもケタ外れの有名人で(彼女の公式Facebookには、2900万もの「いいね!」が付いています)、流行やファッションに関するニュースでよく紹介されています。Kimがメディアでの影響力をうまく使い、どのようにセールスに結びつけているかを見ていきます。

ソーシャルメディアを通してKimが生み出すのは、力強く、成功していて、ほかに依存しない、美しい女性という女神そのもののイメージです。このような特徴の1つ1つを強調するかのように、Facebook、InstagramそしてYouTubeの各アカウント上のコンテンツすべてが、彼女という人物を中心に表現されています。Instagramでは、Kimのセクシーな画像で美を強調しつつ、ほかのコンテンツ、たとえば彼女のキャリアにおける逆境に関する記事は、力強さや成功というイメージを作っています。

言うまでもなくこのようなコンテンツは、彼女のフォロワーの大半を占める、高い美意識を持つ若い女性たちに共感を生んでいます。数百万人におよぶ女性たちが、Kim Kardashian Westを理想や権威としてあがめ、彼女のようになりたいと考えているのです。

このようなメディア戦略を取れば、Kimに憧れる若い女性にコスメや美容器具を購入させるのはとても簡単です。たとえば、KimのYouTubeチャンネルにある「THE LOOK」というタイトルの動画の主たる目的は、好きな見た目をメイクで実現する方法を、具体的にアドバイスしています。

しかしKardashian Beautyは、Kardashianブランドのコスメが登場するなど、チュートリアルの役目を超えて、とても優れた宣伝となっています。Kardashianブランドの動画は100万回以上再生されています。

最後に

ソーシャルメディアを使ったマーケティングのキャンペーンは、3社ともすべて本質的に異なっています。Travel Tickerが若く自由奔放な旅行者へのリーチを狙っている一方で、 GoProはKen Blockのようなソーシャルメディア界の大物を起用して、ユーザー自らがどんどんコンテンツを生み出したくなるようなイメージを作っています。Kim Kardashian Westは彼女自身のブランド力を存分に発揮して、アイドル的そして権威的なイメージを作り上げ、コスメや美容器具をさりげなく紹介することで自分がプロデュースする美容ビジネスに役立てています。

紹介した3つのキャンペーンが成功した理由の1つに、各社の製品、ターゲット市場における関心、そしてソーシャルメディアコンテンツが相乗効果を生み出したことが挙げられます。

3つの例には重要な類似点がいくつかあります。まず、どれもエキサイティングでトレンディ、そしてときには物議をかもすようなテーマを取り上げているということです。素手だけでエッフェル塔に登る様子を捉えた動画やエクストリームスポーツをPOVで撮影したエキサイティングな動画は、若者の心をつかみました。同様に、Kimは性差別やフェミニズムのあり方が大きな関心を持つ時代のなかで、世間に対して強い女性としてのイメージを巧みに演出しています。消費者の注目を得るには、まず彼らがなにに興味を持っているのかを知る必要があるのです。

次に、どの企業もキャンペーンのなかでは自社製品にはそれほど焦点を当てていないというのもポイントです。Travel Tickerの動画と同社のサイトを結びつけているのは、チャンネル名、そして動画出演者が着ているTravel Ticker特製Tシャツだけです。動画がGoProのカメラで撮影されていることを視聴者が知っていたとしても、視聴者がもっとも関心を引くのはコンテンツそのものなのです。Kimがメディアに露出する際、その95%は彼女自身に関する売り込みであって、商品ではありません。

冒頭で述べた仮説は正しいと結論付けられます。つまりソーシャルメディアの利用を直接売上の増加につなげようとしてはいけないということです。その代わり、イメージの構築や対象ユーザーの獲得、そして信頼の構築をしっかりと行なえば、そのすべてが最終的には売り上げの増加につながっていくのです。

※本記事はWooRankのSEOシリーズの1つです。SitePointでの記事公開に協力してくれたパートナーへのサポートに感謝します。

(原文:Using Social Media Influencers to Market Your Business

[翻訳:皐月弥生/編集:Livit

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Tomas Šlimas

Tomas Šlimas

Ali Importerでショップオーナーのドロップシッピング事業自動化をサポートするEコマースのプロです。Esell.ioの共同創業者も務め、最近300万ドル相当のドロップシッピング事業を売却しました。23歳になったばかりで、読書やアフリカ音楽を愛しています。Twitterアカウントは@TomasSlimas。

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